2023年7月29日土曜日

第70回伊勢修養学舎最終日 

 8泊9日に渡り4班編成で実施されてきました第70回浪速高等学校伊勢修養学舎も最終日となりました。1年生900名の生徒達がこの伊勢の地で神社神道の学校で学ぶ生徒として多くの体験から多くの学びを得てくれたと思っています。

男子の「禊」、女子の「舞」をはじめこの地の鎮座される神様を参拝する意味、また仲間たちと共に同じ時間を共有する事で構築される信頼関係。この修養行事は参加しなければ得ることが出来ない学びが本当にたくさんあります。最も大切な事はこの行事をやり切ったという達成感です。

この達成感は必ず次へ挑戦するためのエネルギーとなります。1年生にはこの達成感を忘れることがないよう、また新たな達成感を得る為にも挑戦することを忘れずに前に進んでほしいと思っています。

また本日は昨年度「お伊勢参り」参加できなかった2年生が日帰りでの修養に伊勢の地を訪れました。1年生の様なたくさんの行事はできませんがこの伊勢修養学舎で大切な学びはしてくれたと思っています。その姿勢も2年生らしくさすが1年間浪速で学んだ生徒達だと思わしてくれる内容でした。

今回長期にわたって本校の生徒達をご指導いただいた神職の先生方、そして疲れた生徒達を温かく迎えて頂いた神宮会館の皆様、そして安全にバスを運行していただいたドライバーの皆様、多くの方々のご協力とご支援でこの修養学舎を終えることが出来ました。心から感謝申し上げます。この想いにお答えするには生徒達がたくましく成長した姿をお見せできるどうかだと思っています。どうかこれからも本校の生徒達を温かく見守っていただければありがたいと思っています。

明日からは夏休みとなっていますが、講習や部活動に参加する生徒もたくさんいます。生徒達には感謝の気持ちを忘れず、たくさんの方々から見守られているという認識をしっかりと持って高校生活という青春を謳歌してください。 【今を一生懸命に生きる】 ~挑戦するからこそ変わることが出来る~

2023年7月28日金曜日

伊勢修養学舎4班 2日目 ~ 伊雑宮と倭姫宮 ~ 

今日は2日目の午後から参拝する伊雑宮(いざわのみや)と倭姫宮(やまとひめのみや)についてお話したいと思います。

伊雑宮の創立は約二千年前の第11代垂仁天皇の御代(みよ)。倭姫命が御贄地(みにえどころ)を定めるため、志摩国に入ったところ、伊佐波登美命(いざわとみのみこと)を迎えられ、この地にお宮を創建したと伝えられています。ご祭神は、天照大御神の御魂を祀っています。伊雑宮は、別宮の中でも由緒のある特別の別宮であると言っても過言でありません。その理由は、宮域に神田(しんでん)を持つ唯一の別宮である。二つ目は内宮 荒祭宮の近くに伊雑宮遥拝所が存在していた。三つめは別宮の中で唯一、神饌を調理する場所である 忌火屋殿(いみびやでん)が存在している。


「伊雑宮」は、古くから「天照大御神」(あまてらすおおみかみ)の「遙宮」(とおのみや)【※神宮から遠く離れた「別宮」を意味する。】として広く信仰を集め、地元の人々によって海の幸、山の幸の豊饒(ほうじょう)が祈られてきました。ここでは日本の主食であるお米についての原点があると言われています。

次に「倭姫宮」は、皇大神宮(内宮)の別宮で、2000年以上前に天照大御神を伊勢にお連れになった倭姫命(やまとひめのみこと)が御祭神です。倭姫命は第11代垂仁(すいにん)天皇の皇女です。天照大御神のご鎮座の地を求め各地を巡幸され、伊勢の国に入ると、天照大御神から「ここにいようと思う」という御神託を受けられました。

そして現在の場所・五十鈴川のほとりに、皇大神宮(内宮)を創建されました。現在本校の学院神社にある鳥居はこの倭姫宮の鳥居を式年遷宮の際に伊勢神宮から頂いたものであり、本校と伊勢神宮との関わりを象徴するものとなっています。

この様に本校と伊勢神宮との関わりは深く、この修養学舎において多くの神社を参拝し、その神社の由来や歴史を知ることで参拝する意味を知り、心を健やかにすることが出来ると考えています。この2泊3日の伊勢修養学舎で体験したことは他校では絶対に経験する事はできません。この期間で体感したことをしっかりと心に刻み込ませてもらいたいと思っています。

明日大阪へ帰阪するまで、そして自宅に帰るまでが修養学舎でありそれ以降の学校生活に変化がなければこの修養学舎での成長を感じる事が出来ないと思います。1年生にはしっかりとその事を理解しておいてほしい。そしてさらに充実した高校生活を過ごしてもらいたいと願っています。

2023年7月27日木曜日

伊勢修養学舎4班 1日目 ~ 外宮 ~  

 いよいよ最終班4班が到着しました。開校式の後の校長講話では今日まで修養学舎に参加した生徒達の変化を伝えながらこの修養学舎がいかに大切な行事なのかを4班の生徒達には訴え、生徒達の心に残るように私も気持ちを込めて伝えさせてもらいました。

講話が終われば猿田彦神社を参拝。その後外宮を参拝し1日目の行程を終え宿舎に戻りました。暑さの中ではなりますが生徒達はしっかりと参拝してくれたともいます。

宿舎に戻って夕食を取った音は大祓詞の講義を受け男子と女子にわかれ、男子は「禊」の指導、女子は「礼儀作法と着付け指導」へと消灯時間までみっちりと指導を受けていました。

この修養学舎で1日目に参拝するのが外宮(正式名:豊受大神宮)です。外宮に祀られている御祭神は天照大御神の食事を司る「豊受大御神」です。正殿は神宮だけの建築様式「唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)」となっています。21代雄略天皇(ゆうりゃく)の御代に今の地に祀られたと伝えられています。

日本書紀や丹波国風土記によると、稲作、養蚕、醸造の神様といわれ、衣食住、物を生産しそれを加工するつまり産業の守護神と考えられているのです。今から1500年前、天照大御神のお食事を司る、御饌都神(みけつかみ)として丹波の国から現在の地にお迎えされました。内宮の御鎮座から約500年後です。

2023年7月26日水曜日

伊勢修養学舎 3班 2日目  ~風日折宮と荒祭宮~  

3班2日目。生徒達は男子と女子に分かれ修養行事を実施。男子の「禊」、女子の「大祓詞の奏上と書写」、内宮参拝などしっかりとした姿勢で修養行事に向かってくれていたように思います。

2日目の修養行事では内宮内で御神楽の奉納後に参拝するお社があります。風日折宮(かざひのみのみや)と荒祭宮(あらまつりのみや)という2つのお社を参拝します。

風日折宮

風日折宮は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の御子神で、風をつかさどる神である級長津彦命(しなつひこのみこと)と級長戸辺命(しなとべのみこと)を祀る内宮の別宮です。雨風の災害がないよう、また五穀が豊かに実ることを祈願するお祭り風日折祭と関りが大変深い別宮です。

この別宮とは「わけみや」の意味で、正宮に次ぎ尊いとされる。内宮の別宮は風日祈宮のほか境内に荒祭宮(あらまつりのみや)1宮、境外に月讀宮(つきよみのみや)、瀧原宮(たきはらのみや)、伊雑宮(いざわのみや)、倭姫宮(やまとひめのみや)ほか4宮があります。

次は荒祭宮への参拝。この荒祭宮のご祭神は天照大御神様の「荒御魂」で神様の御魂のおだやかな働きを「和御魂」というのに対して荒々しく格別に顕著なご神威をあらわされる御魂の働きの事を言います。別宮の中でも格式が高く他の別宮と比べても殿舎は大きく、正宮につぐ大きさとなっています。

荒祭宮

オリンピック選手や芸能人など勝負ごとに向かう前に参拝をされる方が多く、前回紹介した導きの神様、猿田彦大神様と合わせて前に一歩踏み出すために祈願される方が多いようです。

このようにこの修養学舎ではさまざまなお社を参拝させてもらいます。全ての参拝には意味があり、その事をしっかりと理解したうえで参拝する事が大切な事です。素直な気持ちで参拝する意味を心にしっかりと持つことで自身の心が洗われ、そして清らかな心を持つことが出来ると思っています。1年生のみなさんにはこの修養学舎においてそういった経験を積んでくれることを期待しています。

2023年7月25日火曜日

伊勢修養学舎 3班 1日目  ~猿田彦神社~   

 2班の生徒達も朝の行事も無事に終了し閉校式の後帰阪しました。2班の生徒達が出発してすぐに3班の生徒達が神宮会館に到着しました。バスから降りてくる姿からは少し落ち着いた感じがしましたが1班の生徒達からいろんな情報を聞いているらしく心構えをしっかりと持ってやってきてくれたと思いました。

開校式の後の校長講話ではいつものようにキーワードを決めて約30分の講話を行いました。そのキーワードは「挑戦しなければ変わることはできない」とし5つの重要なワードを並べて生徒達に訴えました。「品格」「規律」「尊重」「情熱」「結束」のワードがいかに自分の学校生活において重要な事なのか。またこれから様々な事に挑戦し冒険をして行く為に大切な事なのかを伝えていきました。1班・2班の生徒達同様しっかりと聞いてくれていたように思います。あとは実行するのみです。

そしてその後は宿舎を出発しまずは猿田彦神社への参拝となります。この猿田彦大神は、ものごとの最初に御出現になり万事最も善い方へ“おみちびき”になる大神で、古事記、日本書紀などにも「国初のみぎり天孫をこの国土に御啓行(みちひらき)になられた」と伝えられています。

天孫降臨を啓行(みちひらき)された猿田彦大神は、高千穂に瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を御案内した後、天宇受賣命(あめのうずめのみこと)と御一緒に本拠地である「伊勢の狭長田(さながた)五十鈴の川上」の地に戻り、この地を始め全国の開拓にあたられました。と言われています。このように猿田彦神社に参拝することはこの3年間を猿田彦大神様によって1年生の皆が正しく良い方向へ「おみちびき」していただけるよう祈願することが大きな目的となっています。

そして猿田彦神社参拝の後バスにて外宮への参拝となります。多くの伊勢に参拝される方々において参拝する順番が決まっており内宮を参拝する前には外宮を参拝するようになっています。本校においても同じように正式な参拝として実施しています。一つ一つの神社を参拝し、そこに祀られている大神様に対し一人一人の生徒が素直な気持ちになって祈願する。そういった行動と心の持ち方、あり方を学ぶ事で心が豊かになっていくのではないでしょうか。生徒達の表情を見ているとどんどん表情に変化が見られます。3班目の生徒達も大きく成長してくれると思ました。



2023年7月24日月曜日

伊勢修養学舎2班 2日目 ~神楽奉納と豊栄の舞~

2班の生徒達も2日目の早朝から男子と女子分かれしっかりと行事を行ってくれました。昨日の準備の成果もあり良い形で終えることが出来たと思います。

朝食をしっかりととった後は内宮の敷地内にある神楽殿という場所にて御神楽の奉納を行います。本校では毎年、別大々神楽(べつだいだいかぐら)という神楽をご奉納させていただいており生徒達は大神様に3年間の学校生活の充実と健康を祈願しています。

この神楽舞は、倭舞(やまとまい)・人長舞(にんじょうまい)・舞楽(ぶがく)から構成されており、倭舞は女性神職4名による和琴、笛、篳篥(ひちりき)、笏拍子(しゃくびょうし)による大和歌に合わせて舞う、幽玄な余韻がある舞となっています。また舞楽においては蘭陵王(らんりょうおう)という雅楽の曲名の1つで武人の舞らしい勇壮さの中に、美貌で知られた蘭陵王を偲ばせる優雅さを兼ね備えた素晴らしい舞となっています。

本校の生徒はこの様な5世紀初めから10世紀にかけて中国大陸や朝鮮半島、ベトナム、インドから渡来した外来音楽、そして11世紀ごろ日本の宮廷内で流行った物を実際に見て、聞く事でその当時の先人たちの想いを少しでも感じ取ってくれれば嬉しいと思っています。

そして女子生徒にとって最も大事な行事が「祭式教室」です。この祭式教室では女性神職の先生から「豊栄の舞と作法指導」についてご指導を頂きます。男子生徒の「禊」と同じく、この伊勢修養学舎の中で女子生徒は「豊栄の舞と作法指導」を行い、「正しい礼儀作法・着付け」を体験します。その体験から本校の校訓である「浄・明・正・直」を心の軸とし、感謝の気持ちを持てる「人」としての成長を図ることを目的としています。

そして「豊栄の舞」は、女性が舞うことを前提に作られたため、別名「乙女の舞」と呼ばれています。この舞は神への感謝の気持ち、自然への畏敬が表現されており、この世の様々なものに神々が宿ると考える日本の文化が反映されていると考えられています。舞を習うことで日本人が育んできた歴史の重み、伝統のすばらしさを感じ、「生きること」について考えて欲しいと思っています。

男子生徒の成長と共に今日は女子生徒達の成長する姿を見ることが出来ました。伊勢修養学舎での経験は浪速で学ぶ生徒にしかできない事です。このような経験をさせて頂いた事への感謝の気持ちとこの経験をいかに今後に生かしていくかを考え、行動に移してくれることを期待しています。