2021年2月25日木曜日

為せば成る

「 為せば成る」までは有名ですが、本当はその後に「為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」と続きます。この言葉は9代目米沢藩主の上杉鷹山の名言であり、鷹山が莫大な財政赤字をかかえて傾いていた米沢藩の財政を立て直したことで有名となりました。「どんなことでも強い意志を持って行えば必ず実現する、結果が得られないのは成し遂げる意思を持って行動しないからだ」という意味です。元アメリカの大統領ジョン・F・ケネディやビル・クリントンが、日本人の政治家の中で一番尊敬している人物として上杉鷹山を挙げています。

          山形県米沢市にある上杉鷹山を祀る松岬神社

何か困難にぶつかると、人はすぐにあきらめてしまいます。また、気がついたらついつい楽な方に流れてしまうというのも人間というものです。卒業した3年生は進路が決まったからと言って、ここで努力や歩みを止めてはなりません。次のステージで少しでも高いレベルからスタートを切ることが、新たなチャンスを呼び、期待される存在として迎えられることに繋がります。1年生と2年生にみなさんは高校3年間の目標と目的を明確にし、「絶対に成し遂げてみせる!」という強い気持ちを持ち続けてほしいと思います。

「なせば成る なさねば成らぬ 何事も 成らぬは人のなさぬなりけり」

(どんなことでも強い意志を持ってやれば必ず成就する)  上杉鷹山

                  上杉鷹山

そして最後に武田信玄も「為せば成る、為さねば成らぬ成る業を、成らぬと捨つる人のはかなき」(強い意志を持って取り組めば必ず実現できる。一方、取り組まなければ何事も実現できない。努力すればできることであっても、最初から無理だと諦めてしまうところに、人の弱さがある)という言葉を残しています。大事を成し遂げた大名が同じような言葉を残しています。

                                                          武田信玄

浪高生のみなさん、毎日が充実し新たな一歩を踏み出せるよう、先生方がいつも皆さんを見守っています。目の前の課題に取り組む事は自分を高める絶好の機会と捉え、自分を信じて最後までやり切ってください。

2021年2月22日月曜日

結果に執着せず努力を続ける

今浪高生のみなさんは学年末試験のど真ん中にあります。2日目を終わって手応えなどはどんな感じでしょうか。まだ始まったばかりです。準備を万全にして最後までやり切ってもらいたいと思っています。今日は頑張っている浪高生達にエールとして「結果に執着せずに努力を続ける」という言葉を送りたいと思います。

執着とは「ある物事に心をとらわれて、そこから離れられないこと」をいいます。長期的な人生の目的や短期的な目標をもって何かに打ち込むことは大切なことです。でも「絶対にうまくやらなければ」「なんとしても結果をださなければ」といった思い入れが強ければ強いほど、失敗を恐れてしまう傾向があります。そして更には「もし結果がでなければどうしよう」という不安が大きくなり、それが頭から離れなくなってしまう。そんな気持ちになったことはみんなにもあると思います。

今浪高生のみんなは学年末試験の真っ最中。きっとそんな風に感じている生徒も少なからずいると思います。試験結果に執着するとプレッシャーが大きくなったり、焦りが生じます。そういった感情が学習活動の能率を下げて、逆効果になってしまうこともあるのです。結果にはこだわらないけど、悔いが残らないように自分にできることをやりとげる。そして「あとはなるようにしかならない」と割り切ることによって、不安も和らぎ、頭も冷静になり、視野もひろがっていき、冷静な判断が出来ると思います。

特にこの1年はコロナ禍の影響でみなさんは苦しく、辛い経験を数多くしたと思います。そしてみなさんはここまで乗り越えてきました。きっと今のみなさんなら出来ると思います。世の中、どんなにがんばってもすべてがうまくいくとは限りません。結果が出るまでもう一歩のところで、自分ではどうしようもできないことが起きてしまうこともあります。そんな時こそ「結果に執着せずに努力を続ける」ことが、心も穏やかに着実に成長していける最も近道な姿勢だと思います。自分を信じて結果を恐れず前に進もう!

~自分がどんなに努力しても、すぐに結果が出るとは限らない。

    結果にこだわりすぎると安全な道を選び、進歩は止まってしまう。~

                                                - 藤沢秀行 - (日本の囲碁棋士 / 1925~2009)



2021年2月20日土曜日

学年末試験が始まる

 本日から今年度最後の学年末試験が始まりました。前回のブログにも書かせてもらいましたが今年度の締めくくりの試験であり非常に大切な試験です。ぜひ準備を万全にして試験に挑んでほしいと思います。

試験結果も大切な事ですが最も大切な事は、この1年間で経験した失敗を繰り返さないことです。そして持てる力を全て出し切ること。試験が終わった時、自分自身に充実感と達成感を感じることが出来るかどうか。その事が最も大切な事だと思います。今日20日から26日までの間、休日も含まれており時間を有効に活用して、一人一人の生徒がチャレンジしてくれることを願っています。

そして学年末試験が終わり、また日常の楽しい学校生活を過ごしているみなさんの様子をみられるのを心待ちにしています。今浪速は学年末試験という緊張感に包まれています。学習活動に集中すること!がんばってください。

2021年2月18日木曜日

学年末試験に備える浪高生

 浪高生達は今学年末試験に向けての準備に取り掛かっています。放課後校内の至る所で浪高生達は学習活動に励んでいます。


1年間の中で最後の定期テストとなり進級や評定値にも影響を与えるこの学年末試験の重要性を生徒達は理解してくれています。


校内を歩いてみるとそのような雰囲気をヒシヒシと感じることが出来ました。浪高生達のその様な姿から、今自分がやらねばならない事を全力で行い、常に前を向いて挑戦している、「今を生きる」という事を実践してくれているように感じることができました。今日は浪高生達のたくましく、しなやかに成長している姿を見ることができました。


2021年2月15日月曜日

2月高校朝礼

 本日は高校朝礼を実施しました。表彰伝達では、写真部、吹奏楽部の2クラブが各大会にて優秀な成績を収めたので主催団体から頂いた表彰状を、そして2020年度浪速高等学校・浪速中学校読書マラソンで優秀な成績を収めてくれた生徒には学校からの表彰状を送りました。本校の部活動においては、運動部だけではなく文化部も活躍してくれていることが、全校生徒のみんなに実感してもらえたと思います。


その後の校長講話においては、週末に発生した福島県、宮城県で発生した地震を取り上げ、もう一度自然災害について一人一人がしっかりとした備えを行い、正しい情報の下冷静に行動判断することが大切だという事を訴えました。次に、先週に実施された高校入試が無事に終えられた事、そして昨年度より多くの受験生を迎えることが出来た理由について話しました。その理由は、学校説明会や見学会などで在校生からのプレゼンや在校生が過ごしている学校生活を見ていただき、受験生のみなさんが、自分もこのような高校生活を過ごしたいという憧れを持ったからだと思います、という事を伝えました。


浪高生の一人一人が目標をもって生き生きと楽しい学校生活を過ごしていることに校長として喜びを感じ、努力しているみんなに敬意を表したいと思います。そして4月以降、希望と期待をもって入学してくる新入生を、在校生のみなさんは今以上のいい環境を整えて迎える事ができるように、今目の前のやれる事をしっかりと行い、そしてチャレンジすることが大切だという事も伝えさせてもらいました。

行動すれば何かが変わります。1年間の総まとめの時期です。次のステージに向けてのいい助走期間となるように頑張ってくれることを浪高生達に期待しています。

2021年2月13日土曜日

学校に活気が戻る

 コロナ禍の影響で高校入試の前日2日間学校を閉鎖し、試験当日と入試業務の期間も含めて5日間生徒達は登校できませんでした。この期間、浪高生達は私が送ったメッセージを読んでくれて充実した毎日を過ごしてくれていたと思っています。そして高校入試も終わり、本日から生徒達が学校に登校し日常の学校生活が戻ってきました。朝から生徒達は元気に登校してくれており笑顔で挨拶してくれました。

今日から学年末試験が1週間前に迫ってきており浪高生達は試験に向けて本格的に準備に入っていきます。一つ一つの授業をいつも以上に大切にしていかねばなりません。




3年生は卒業してしまい寂しさはありますが、やはり生徒達がいると学校に活気が戻ってきます。一年の締めくくりとして1年生・2年生のみなさんにはラストスパートをかけてほしいと思っています。一人一人の生徒が大きく成長できるように学校はこれからも輝き続ける浪高生達の挑戦をしっかりとサポートしていきたいと思います。

2021年2月12日金曜日

令和3年度高校1次入試業務が全て終了。

 令和3年度高校入試の全ての業務が無事に本日終えることが出来ました。コロナ禍の影響で準備段階から例年にない形で始まりましたが全教職員が一つになって全ての業務を終えることが出来ました。

試験当日、受験生のみなさんは緊張と不安の中よく頑張ってくれていました。そうした様子を見ることができて安心しました。試験科目に向かっている受験生の姿から大きなエネルギーみたいなものを感じる事ができました。本当にお疲れ様でした。少しの期間ゆっくりと体を休めてもらい、疲れを取って中学校生活のラスト50メートルを走り切れるように英気を養ってください。一つでも多くの思い出を創って中学校生活を終え、高校生活に向けた新たな希望をもってほしいと思います。

本日は朝から判定会議を行い、合否通知書の発送作業などを夕刻までに終える予定です。受験生のみなさんの手元には2月13日中には配達されます。受験生の皆さんはそれまで待ってください。早く結果を知りたい受験生のみなさんは2月12日18:00から2時間WEB上にて発表されますのでHPからご覧ください。

受験生のみなさん今後の残り少ない中学校生活1日1日を大切にしてください。悔いのない、やり残したことがないよう充実した生活を日々過ごしてください。

2021年2月6日土曜日

高校入試に備える

 本日は2限目まで授業を行い3限目からは2月10日に行われる2021年度浪速高等学校入学試験に向けた準備に取り掛かりました。全校生徒・教職員が一丸となって校内全ての箇所の清掃と消毒、そして受験会場の設営などを行いました。

全ての受験生が気持ちよく、安心して安全に受験していただき、今まで頑張ってきた力を出し切ってもらえるように環境を整えております。また感染症対策についても万全を期しておりますので受験生のみなさんは安心してください。そして本校は、日曜日、月曜日と火曜日の3日間学校を閉鎖し、水曜日に実施する高校入試に万全の態勢で臨みたいと思っています。

このように浪速は徹底して一人一人の受験生が受験に集中できる準備を整えています。受験生のみなさんは体調管理をしっかりしていただき入試当日を迎えてほしいと思います。当日は緊張するでしょうが私たちが全力でサポートします。安心して力を出し切ってください。

2021年2月4日木曜日

高校1年人権ホームルーム

 本日は1年生に向けた人権研修会を開催しました。人権とはすべての人が幸福な人生をおくるために欠かすことができないものです。いつでも、どこでも、誰でも、そして平等に保障されるべきものであり、現在だけでなく将来にわたって保障されるべき権利です。

安心して生きる権利、自分で自由に考え意見を言う権利、仕事を自ら選び働く権利、教育を受ける権利や裁判を受ける権利など、人が生まれながらに持っている基本的で具体的な権利の総称です。権利は、英語ではRight。人権は、Human Rightsです。humanは、「人間らしい」という意味。だから、人権(Human Rights)とは、人間らしく生きるための権利といえます。

権利に関して調べてみました。ルソーは、こんなことをいっています。「権利の平等、およびこれから生ずる正義の概念は、それぞれの人が自分のことを先にするということから、したがってまた人間の本性から出てくる」(ルソー、『社会契約論』)

権利は神からではなく、人間の本性からもたらされる。ルソーはそういっています。ルソーのいう人間の本性とは、自己愛、すなわち自己中心性のことです。自己中心性とは、いいかえれば自分自身へ配慮することです。自己中心性の根底にあるものは、「私は欲する」、つまり個人の「欲望」にほかなりません。

 人は誰しも欲望や自由を優先したいと思う本性をもっている。そうすると必ず、他人との競争や対立が生じる。互いの欲望を譲らず自己主張をつづければ、殺し合いに至ることもある。結局、互いに相手を殺さず、ともに生きるためには、他人との間の「対立」を緩和したり解消したりするしかない。つまり、互いの自由を認め合うしかない。ここから権利の概念が導き出される。人間は、互いの欲望を認め、共に生きるために「約束」するのだ、ここに権利が生み出される根拠がある 。ルソーはこのように考えたのです。

法務省から出されている人権問題は16項目にわたる問題があります。「女性の人権」「子どもの人権」「高齢者の人権」「障害を理由とする偏見や差別」「同和問題(部落差別)」「アイヌの人々に対する偏見や差別」「コロナやHIV感染者等に対する偏見や差別」「性的指向(Sexual Orientation:セクシュアル オリエンテーション)性自認(Gender Identity:ジェンダー アイデンティティ)」など今日本にはこのような人権問題が起きています。

それらを学び知ることによって一人一人の人の尊厳がまもられ、はじめて人は社会の一員としての役割をはたすことができます。学校生活も同じだと思います。生徒一人一人が楽しく、自分の能力や才能を最大限伸ばし自分の目標を達成できる環境を構築する為にも、互いに認め合い、仲間を大切にし、思いやり、優しさが大切な事なのです。

みなさんは学校という小さな社会集団から今後は世界という大きな社会集団へ旅立っていきます。その社会の一員として、豊かで幸せな社会を創り上げていくために努めていかねばなりません。だからこそ今こういった問題を学ぶ事が重要な事なのです。人権は人がそれぞれの資質や能力を生かして自分本来の生き方や成長を可能にする(自己実現)ために必要です。自分の生き方を責任を持って自分で選ぶことができる。そういった環境を整えるためにも。

いつもみなさんに伝えているように、世の中ではインターネット上での人権侵害になりかねない発言や行為が多発しており、新たな課題となっています。無責任な他人への誹謗・中傷や、プライバシー侵害など今後もインターネットを大いに利用するみなさんにとって、IT社会にふさわしい正しい人権感覚を身に付けていかねばならないと考えます。

これからも社会はとても速いスピードで変化し進んで行く事でしょう。そのスピードにおいていかれないようにするためにも毎日「何かを学ぶ」そして「常に考える」という習慣をつけておく事が大事ではないでしょうか。正しいかどうかは問題ではないと思います。「答えは近い未来にある。」と考えています。

2021年2月2日火曜日

人の心を動かす「謙虚さ」

 今年の1月11日大学ラグビーの決勝戦が行われました。高校・大学そして社会人でラグビーをしていた私は特別な思いでこの試合を見ていました。それは早稲田大学と天理大学の関東対関西の対決だからではなく、去年8月には天理大学ラグビー部は60名以上が新型コロナウイルスに集団感染し、大変つらく苦しい時間を過ごしておりそのチームがここまで勝ち上がってこれた要因は何か?それを見る事が大きな目的でした。試合は終始天理大学が主導権を握り天理大学が55対28で早稲田大学を下し、初優勝を果たし、実に36大会ぶりの関西勢の優勝となりました。

どん底のチームが日本一になれた要因。それはスキルやフィジカルだけではなく圧倒的な形で早稲田大学を制した松岡主将のインタビューから理解が出来ました。彼は「ありがとうございまーす!めっちゃくちゃうれしいです!」正に絶叫と言えるほどの大きな声で、素直な感情を言葉にしていました。 最近は大学生でも、それこそ高校生でも、冷静に言葉を選んでインタビューに応じる場面をよく目にしますが、松岡選手のインタビューは愚直なほどの直球で自分の感情を表現していました。インタビューに応える間も、涙がほほを伝って落ちていきます。その涙をぬぐうこともせず、はっきりと思いを言葉にしていました。「いろいろあったが、1年間我慢して、いろんな方にサポートしてもらえたおかげでここまで乗り越えてこれたと思う」と松岡主将。そして最後にもう一度、「ありがとうございましたー!」と大声で叫んでインタビューは終わりました。

TEAMが苦難を抱えている時、ピンチの時、この松岡選手が代表するように選手一人一人がひたむきに、謙虚な気持ちで前を向いていく姿勢が大切だということを改めて思い知らされました。そこには格好いい姿も、スマートな言葉もいらない。素直にまっすぐに、明るく前を向いて進んでいくことこそ、一番必要だということを思い出させてくれました。

日本には古くから、謙虚さを象徴する格言として「実るほどに首(こうべ)を垂れる稲穂かな」という教えがあります。知識や経験を積み人間的にも高いレベルに達すると、中身の詰まった稲穂がその重さで自然に頭を垂れるように、人間も抵抗なく謙虚な姿勢をとれるようになるものだ、という意味であります。「権利は主張しても義務は果たさない」という傾向が強くなると、人間関係がぎこちなくなり、自分の事だけ優先して行動し、小さな事でトラブルに発展することが多くなるものです。相手を思いやり、共感や協調の態度が大切にされ、常に謙虚な姿勢を持てる人が増えていけば、お互いに気持ちの良い毎日を送ることができるようになることでしょう。

ボランティア活動で有名になった尾畑春夫さんがボランティアに対する自らの理念を素晴らしい言葉で表現されました。それは「かけた情けは水に流し、受けた恩は石に刻め」というものでした。仏教用語とされていますが、被災者のために自分は全力を尽くすが、一切の見返りを受け取らない、という強い信念を表すものでした。その謙虚さと相手を思いやる尊い精神に、頭の下がる思いがしました。

この様に人の心を動かすのは「謙虚さ」と「前向きな姿勢」を感じることが出来る行動だと思っています。その行動があるからこそ一人一人が心を洗われ気持ちを落ち着かせ、勇気と元気をえることが出来ると思います。これからもそのような気持ちと行動を心がけ、 先のことを考えれば不安は尽きませんが、一人一人が今できることに全力を注いでいくことで、自分の進むべき道が開けていくはずです。