2024年7月27日土曜日

伊勢修養学舎3班 3日目 ~猿田彦神社~

 3班の生徒達は本日すべての行事を無事に終了して閉校式の後帰阪しました。この3日間の修養行事で本当に大きく成長してくれるのは本校の生徒が正直で素直な生徒達であるからだと確信しています。この行事での学びはこれからの学校生活はもちろん、一人一人の生徒達が自分の未来をしなやかに「生き抜く力」を身に着ける為の基礎を学んだことだと考えています。

その基礎をどんな時もしっかりと持ち続け、一生涯忘れずにこれからも今この一瞬を大切にして前を向いて挑戦し続けてください。そうすれば必ずや明るい未来が来ることでしょう。3班の生徒達の頑張りと成長を心から祝福します。よく頑張りました!

そして3班の生徒達が出発して1時間後には最終班の4班の生徒達が神宮会館に到着しました。バスから降りてくる姿からは少し落ち着いた感じがしましたがすでに帰阪している各班の生徒達からいろんな情報を聞いているのか様子を見ていると心構えをしっかりと持ってやってきてくれたと感じています。

開校式の後の校長講話ではいつものようにキーワードを決めて約40分の講話を行いました。そのキーワードは「今を一生懸命生きる~挑戦しなければ変わることはできない~」とし5つの重要なワードを並べて生徒達に訴えました。「品格」「規律」「尊重」「情熱」「結束」のワードがいかに自分の学校生活において重要な事なのか。またこれから様々な事に挑戦し冒険の旅に出発して行く生徒達にとって「今を一生懸命に生きる」ことが最も大切な事であると生徒達に伝えていきました。4班の生徒達もしっかりと聞いてくれていたように思います。あとは実行するのみです。

その後は宿舎を出発してまずは猿田彦神社への参拝となります。この猿田彦大神は、ものごとの最初に御出現になり万事最も善い方へ“おみちびき”になる大神で、古事記、日本書紀などにも「国初のみぎり天孫をこの国土に御啓行(みちひらき)になられた」と伝えられています。

天孫降臨を啓行(みちひらき)された猿田彦大神は、高千穂に瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を御案内した後、天宇受賣命(あめのうずめのみこと)と御一緒に本拠地である「伊勢の狭長田(さながた)五十鈴の川上」の地に戻り、この地を始め全国の開拓にあたられました。と言われています。このように猿田彦神社に参拝することはこの3年間を猿田彦大神様によって1年生の皆が正しく良い方向へ「おみちびき」していただけるよう祈願することが大きな目的となっています。


そして猿田彦神社参拝の後バスにて外宮への参拝となります。多くの伊勢に参拝される方々において参拝する順番が決まっており内宮を参拝する前には外宮を参拝するようになっています。本校においても同じように正式な参拝として実施しています。

一つ一つの神社を参拝し、そこに祀られている大神様に対し一人一人の生徒が素直な気持ちになって祈願する。そういった行動と心の持ち方、あり方を学ぶ事で心が豊かになっていくのではないでしょうか。生徒達の表情を見ているとどんどん表情に変化が見られます。今年の伊勢修養学舎も最終班となりました。4班目の生徒達も今までの班以上の成長ができるように生徒達と一緒に頑張っていきます。


2024年7月26日金曜日

伊勢修養学舎3班 2日目 ~伊雑宮と倭姫宮~

3班の生徒達は2日目の修養行事となりました。男子は早朝から禊、そして女子は内宮への参拝と大祓詞奏上、朝食後はお神楽の奉納、午後からは女子は祭式教室、男子は2つの別宮を参拝後、神宮会館に戻って講堂での大祓詞の書写と今日も1日酷暑の伊勢の地でみっちりと神道行事を実践してくれたと思います。

今日は2日目の男子生徒が午後から参拝する伊雑宮(いざわのみや)と倭姫宮(やまとひめのみや)についてお話したいと思います。

伊雑宮の創立は約二千年前の第11代垂仁天皇の御代(みよ)。倭姫命が御贄地(みにえどころ)を定めるため、志摩国に入ったところ、伊佐波登美命(いざわとみのみこと)を迎えられ、この地にお宮を創建したと伝えられています。ご祭神は、天照大御神の御魂を祀っています。伊雑宮は、別宮の中でも由緒のある別宮であると言っても過言でありません。その理由は、宮域に神田(しんでん)を持つ唯一の別宮であるからです。

「伊雑宮」は、古くから「天照大御神」(あまてらすおおみかみ)の「遙宮」(とおのみや)【※神宮から遠く離れた「別宮」を意味する。】として広く信仰を集め、地元の人々によって海の幸、山の幸の豊饒(ほうじょう)が祈られてきました。ここでは日本の主食であるお米についての原点があると言われます。

次に「倭姫宮」は、皇大神宮(内宮)の別宮で、2000年以上前に天照大御神を伊勢にお連れになった倭姫命(やまとひめのみこと)が御祭神です。倭姫命は第11代垂仁(すいにん)天皇の皇女です。天照大御神のご鎮座の地を求め各地を巡幸され、伊勢の国に入ると、天照大御神から「ここにいようと思う」という御神託を受けられました。

そして現在の場所・五十鈴川のほとりに、皇大神宮(内宮)を創建されました。現在本校の学院神社にある鳥居はこの倭姫宮の鳥居を式年遷宮の際に伊勢の神宮から頂いたものであり、本校と伊勢の神宮との関わりを象徴するものとなっています。

この様に本校と伊勢の神宮との関わりは深く、この修養学舎において多くの神社を参拝し、その神社の由来や歴史を知ることで参拝する意味を知り、心を健やかにすることが出来ると考えています。この2泊3日の伊勢修養学舎で体験したことは他校では絶対に経験する事はできません。この期間で体感したことをしっかりと心に刻み込ませてもらいたいと思っています。


2024年7月25日木曜日

伊勢修養学舎2班 3日目 ~風日折宮と荒祭宮~

本日2班の生徒達は3日間の修養行事を全て終えて帰阪しました。この班は本当に元気がよく初日からその元気さが裏目に出て指導を受けたりした生徒はいましたが本当に素直に対応してくれ、初日以降は素晴らしい姿勢で行事に臨んでくれました。3日間でこれだけ成長した班はあまり経験がありません。それほど素晴らしい修養行事となりました。2班の生徒の皆さん本当にお疲れさまでした。

さて生徒たちの成長の喜びもつかの間3班の生徒達が到着しました。2班の生徒達と同じように素晴らしい修養の場となるよう更に気を引き締めて頑張っていかねばなりません。先生方も全力で生徒達のためにサポートしてくれており、3班も生徒と教員が一つになって神道行事が充実した形となるように創っていくつもりです。

この修養行事では2日目、午前中の神道行事で内宮内での御神楽の奉納後に参拝するお社があります。風日折宮(かざひのみのみや)と荒祭宮(あらまつりのみや)という2つのお社を参拝します。3班の生徒達は明日参拝します。

まず、風日折宮(かざひのみのみや)は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の御子神で、風をつかさどる神である級長津彦命(しなつひこのみこと)と級長戸辺命(しなとべのみこと)を祀る内宮の別宮です。雨風の災害がないよう、また五穀が豊かに実ることを祈願するお祭り風日折祭と関りが大変深い別宮です。

この別宮とは「わけみや」の意味で、正宮に次ぎ尊いとされる。内宮の別宮は風日祈宮のほか境内に荒祭宮(あらまつりのみや)1宮、境外に月讀宮(つきよみのみや)、瀧原宮(たきはらのみや)、伊雑宮(いざわのみや)、倭姫宮(やまとひめのみや)ほか4宮があります。

次は荒祭宮への参拝。この荒祭宮のご祭神は天照大御神様の「荒御魂」で神様の御魂のおだやかな働きを「和御魂(にぎみたま)」というのに対して荒々しく格別に顕著なご神威をあらわされる御魂の働きの事を言います。別宮の中でも格式が高く他の別宮と比べても殿舎は大きく、正宮につぐ大きさとなっています。

いよいよ開幕のパリ・オリンピック。そのオリンピック選手や芸能人など勝負ごとに向かう前に参拝をされる方が多く、後日紹介する導きの神様、猿田彦大神様と合わせて前に一歩踏み出すために祈願される方が多いようです。
このようにこの修養学舎ではさまざまなお社を参拝させてもらいます。全ての参拝には意味があり、その事をしっかりと理解したうえで参拝する事が大切な事です。素直な気持ちで参拝する意味を心にしっかりと持つことで自身の心が洗われ、そして清らかな心を持つことが出来ると思っています。1年生のみなさんにはこの修養学舎においてそういった経験を積んでくれています。

2024年7月24日水曜日

伊勢修養学舎2班 2日目 ~内宮と外宮~

2班の生徒達の2日目となりました。1班と同様に朝は昨日と同様に男女ともに5時30分の起床後男子は禊へ、女子は大祓詞奏上後に内宮への参拝を行い宿舎に戻って朝食となります。この伊勢修養学舎ではたくさんの重要な大神様を参拝させていただきます。この伊勢の地には正宮・別宮・摂社・末社・所管社を合わせて125のお社があります。

そのもっとも重要な正宮の1つは内宮(正式名:皇大神宮)です。内宮の御祭神は天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおかみ)であり一般的には天照大御神(あまてらすおおかみ)と言われています。

神様の名前から太陽を連想する神様だと思われますが単なる太陽神ではなく、皇室の御先祖であり天皇の御祖神(みおやがみ)でもあります。第11代垂仁天皇の御代に皇女倭姫命が大神様にお仕えした際、大神様が永遠に御鎮座できる地(大宮地:おおみやどころ)を求めて各地を巡幸されこの伊勢の地に宮を営み大神様を祀り申し上げたとされています。

今から2000年前、皇位のしるしとして受け継がれる三種の神器の一つである八咫鏡(ヤタノカガミ)をご神体としてお祀りし、国家の守護神として崇める伊勢信仰は平安末期より広がっていったと言われています。この内宮の大神様は最も本校の基本となる大神様で、学校にある学院神社にも祀られている神様です。

そしてもう一つの重要な正宮はこの修養学舎で1日目に参拝する外宮(正式名:豊受大神宮)です。外宮に祀られている御祭神は天照大御神の食事を司る「豊受大御神」です。正殿は神宮だけの建築様式「唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)」となっています。

第21代雄略天皇(ゆうりゃく)の御代に今の地に祀られたと伝えられています。日本書紀や丹波国風土記によると、稲作、養蚕、醸造の神様といわれ、衣食住、物を生産しそれを加工する、つまり産業の守護神と考えられているのです。今から1500年前、天照大御神のお食事を司る、御饌都神(みけつかみ)として丹波の国から現在の地にお迎えされました。内宮の御鎮座から約500年後です。

このように修養学舎では伊勢の地で重要な正宮や別宮に参拝する事でその神社の成り立ちや日本文化を学ぶことが出来ます。神社神道の学校で学ぶ生徒としてこの様な事を学ぶ機会を得るのは、この浪速でしかない事でもあります。

学校の校舎にも今回参拝した神社の神様が様々な形に描かれたり、その神社に関係する物が置かれたりしています。本校の生徒たちは学院神社の大神様をはじめたくさんの神様に見守られて学校生活を過ごしていることを再認識してほしいと思います。

浄く、明るく、正しく、直く。この本校の校訓を忘れずに様々なことに挑戦していれば必ず良い方向に導き、そして本校の生徒たちの夢の実現に頑張っている姿を見守ってくれると思います。そのためにも感謝の気持ちを忘れずにいることが大切なことなのです。

2024年7月23日火曜日

伊勢修養学舎1班 3日目 ~神楽奉納と豊栄の舞~

 1班の生徒達も3日目の最終日を迎え早朝から男子と女子に分かれしっかりと行事を行ってくれました。昨日の準備の成果もあり良い形で終えることが出来たと思います。

閉校式では開校式とは全く違う成長した姿で臨んでくれこの3日間の修養の成果が出ていたように感じとることができました。生徒達のバスに乗り込む様子を見ていると一人一人から「やり切った!」という達成感みたいなものを感じれたことが大変嬉しく思いました。

1班が伊勢を出発した1時間半後、2班の生徒たちが伊勢に到着。昼食をとった後はすぐに開講式を行い、終了後は伊勢修養学舎の最初の行事校長講話を40分実施。その後、猿田彦神社への正式参拝、そして外宮へ参拝後宿舎の戻って夕食、夕食後はすぐに大祓詞の講義、その後は男子と女子に分かれて神職の先生方からの禊指導と礼儀作法.着付けの指導と修養行事は消灯時間ぎりぎりまでしっかりと行われます。

明日の2日目の神道行事として内宮の敷地内にある神楽殿という場所にて御神楽の奉納を行います。毎年別大々神楽(べつだいだいかぐら)という神楽をご奉納させていただいており生徒達は大神様に3年間の学校生活の充実と健康を祈願しています。

この神楽舞は、倭舞(やまとまい)・人長舞(にんじょうまい)・舞楽(ぶがく)から構成されており、倭舞は女性神職(舞姫)4名による和琴、笛、篳篥(ひちりき)、笏拍子(しゃくびょうし)による大和歌に合わせて舞う、幽玄な余韻がある舞となっています。また舞楽においては蘭陵王(らんりょうおう)という雅楽の曲名の1つで武人の舞らしい勇壮さの中に、美貌で知られた蘭陵王を偲ばせる優雅さを兼ね備えた素晴らしい舞となっています。

本校の生徒はこの様な5世紀初めから10世紀にかけて中国大陸や朝鮮半島、ベトナム、インドから渡来した外来音楽、そして11世紀ごろ日本の宮廷内で流行った物を実際に見て、聞く事でその当時の先人たちの想いを少しでも感じ取ってくれれば嬉しいと思っています。(また、本校の修養学舎で神宮の神楽に魅せられ、舞姫さんになった卒業生も現在奉職されています。)

そして女子生徒にとって最も大事な行事が「祭式教室での指導」です。この祭式教室では女性神職の先生から「豊栄の舞と作法指導」についてご指導を頂きます。男子生徒の「禊」と同じく、この伊勢修養学舎の中で女子生徒は「豊栄の舞と作法指導」を行い、「正しい礼儀作法・着付け」を体験します。その体験から本校の校訓である「浄・明・正・直」を心の軸とし、感謝の気持ちを持てる「人」としての成長を図ることを目的としています。

そして「豊栄の舞」は、女性が舞うことを前提に作られたため、別名「乙女の舞」と呼ばれています。この舞は神への感謝の気持ち、自然への畏敬が表現されており、この世の様々なものに神々が宿ると考える日本の文化が反映されていると考えられています。舞を習うことで日本人が育んできた歴史の重み、伝統のすばらしさを感じ、「生きること」について考えて欲しいと思っています。

男子生徒の「禊」と女子生徒達の「舞」この二つの神道行事はこの浪速でしか経験できないものです。その経験から学ぶ事は他にはない事をです。このような経験をさせて頂いた事への感謝の気持ちとこの経験をいかに今後に生かしていくかを考え、行動に移してくれることを期待しています。

1班の生徒達は無事に大阪に到着して解散したとの連絡を受け、1班の伊勢修養学者を終えることができました。これで浪高生になったわけです。明日からの学校生活に大きな変化が芽生え、充実した生活を過ごすためにもこの伊勢修養学舎での経験を生かしてください。2班の生徒達にも、1班同様に浪速の魂を身に着けてもらうことができるよう頑張っていきます。