2022年8月31日水曜日

イチローを育てた人

 【山に登るルートはたくさんあるのだから、自分の成功体験を押し付けてはいけない。】この言葉は“イチロー選手の育ての親”と称された日本プロ野球会の名将と呼ばれる仰木 彬監督の言葉です。

私も長年スポーツを指導してきましたがこの言葉を知った時心に残ったのを今でも覚えています。一人ひとりいろんな成功体験や失敗体験を繰り返しながら少しずつ前に進んで行きます。特に成功体験は自分にとって大切な『糧』となって次の挑戦に大きな勇気とパワーを与えてくれます。そういった体験や経験が積み重なり自分自身のスタイル、形ができあがっていきます。 効果としても実感できているので大きな自信となって自身の心に残ることになります。

教師として、またスポーツの指導者として生徒達を指導するとき、自分のそのスタイルを生徒達に押し付けていないかを気付かせてくれたのもこの言葉でした。十人十色という言葉があるように目の前の生徒には人それぞれ感覚が違います。もし当時の自分と限りなく近い状況であったとしても、登場人物やタイミングが違えば全く別の話であり、当然ですが結末も変わるということを必ず理解しておかなければいけないことです。

実体験からのアドバイスは、受け手からしても非常に説得力があり、参考にしやすいとは思いますが『だから同じようにしなさい(これが正解)』といったニュアンスで伝わってしまうと、良かれと思って伝えたことが成功・成長・解決の『手伝い』ではなく『押し付け』になってしまいます。これではアドバイスを与える側も受ける側も全く意味が無くなってしまいます。

ラグビー部ハーフタイム

非常に複雑で微妙なところではありますが、生徒達は完全にヘルプサインを出している状態であることが考えられるため、やはりこれはアドバイスを与える側が注意すべきところだと私自身も改めて肝に銘じました。『じゃあ何も伝えられない』と思った事もあります。しかし、目の前の生徒や仲間が悩んでいればなんとかしてあげたいと思うのは自然なことです。誰一人として完璧な人はいません。本当は正しかったとしても『今は正しくない…』と感じることだってあります。まずは一緒に考える、一緒に悩むことから始めてみようと思いました。

女子バスケ試合前

とにかく話を聞いて想いを共有し理解しようとする。それだけで元気になってくれることも少なくありません。相手の気持ちを読み取り、寄り添い、共に進むことです。互いに支え合うこと、相手を思う気持ちこそが成功・成長・解決の一番の特効薬なのかもしれません。手っ取り早く答えを探すのではなく、試行錯誤を繰り返すことも自分の基本づくりにおいて重要なことなのだと思います。

2022年8月28日日曜日

高校クラブ体験会

 本日は2023年度浪速高校クラブ体験会を実施しました。午前中は硬式野球部・ラグビー部・陸上部・アメリカンフットボール部・硬式テニス部・剣道部・ダンス部・ボクシング部・津軽三味線部・合唱部・放送部の12クラブ、午後からはゴルフ部・軟式野球部・卓球部・男子バレー部の5クラブの17クラブにおいて実施されました。

文武両立を目指し実践している本校にとってこのクラブ体験会は来年高校受験を控えている中学生の進路選択において非常に良い体験をして頂ける機会と考えています。最高の練習環境の中で日々部活動に励んでいる在校生達と一緒に同じ時間を過ごす事で浪速に通う生徒の雰囲気を感じてもらえることが出来たと思います。

また練習の環境面においても他にはない最高の環境を実際に見てもらいその練習環境の中で活動を行ってもらう事でまたいつもとは違った感覚を得る事が出来ると思います。

本校では本日のクラブ体験会のように実際に学校で開催するイベントや入試説明会においては浪速高校が一人一人の受験生にとって一生に一度しかない高校生活を楽しむことが出来る学び舎かどうかを実際に見てもらいその雰囲気を少しでも感じてもらう事を大きなキーワードと考えています。

受験生にとって私立高校の選択は本当に重要だと考えています。私立高校選択を真剣に考えている一人一人の中学生に対しこれからも私達はしっかりと本校の良さを丁寧にお伝えさせてもらいます。そして多くの受験生に選んでいただけるような学校を創って行かなければならないと考えています。
今日一日が受験生にとって少しでも志望校選択のお役に立つことが出来たのなら非常に嬉しく思います。10月からは本校での入試説明会が4回に分け実施されます。いろんな形での説明会を予定しておりできる限り在校生達の声をみなさんに伝えていきたいと準備をしている所です。ぜひご参加の程よろしくお願いいたします。そして本日クラブ体験会にご参加いただいた方々には心から感謝申し上げます。ありがとうございました。また入試説明会でお会いできることを心から願っております。

2022年8月24日水曜日

2学期のスタート

 本日から2学期がスタートしました。久しぶりに全校生徒が揃いました。この夏休み中いろんな事に挑戦しいろんなことを経験してくれたと思っています。自分の中にめばえた小さな変化、また大きな変化を感じることが出来ている生徒は成長していると思います。成功や失敗など良い経験だけではなく失敗した経験も踏まえてその様に感じている生徒は、その変化をこの2学期にさらに変化させてほしいと思います。

弓道部 インターハイ個人 第2位

鉄道研究部全国高校地方交流会 最優秀賞

2学期は1年を通じて非常に大切な学期となります。浪速祭や修学旅行、そして3年生にとっては本格的に受験に取り組む時期となり、大学受験に向けた最後の挑戦となります。この重要な2学期をどのように過ごすのか。この事が大切です。本日の始業式の中ではその事を伝えさせてもらいました。

吹奏楽部コンクール大阪府大会金賞 関西大会出場

パソコン部 WROJAPAN2022 大阪中央公認予選会 ミドル優勝
全国大会へ出場

『決意』という言葉を今日のキーワードとしこの2学期それぞれの生徒が掲げる目標に向け諦めることなく最後までやり切ろうとする行動と言動を期待しています。

ダンス部 西日本ヘアメイクカレッジダンスフェスティバル 最優秀賞
全日本高等学校チームダンス選手権大会 関西予選 4位

日本情報処理検定協会 検定委員長賞 受賞
この夏には多くの部活動が素晴らしい成績を、インターハイをはじめとする各大会で残してくれました。3年生はこの大会で引退するクラブもあります。3年生全ての部活動の部員達がこの夏残した軌跡は、後の後輩へと引き継がれます。その残された後輩たちがその功績を更にいかしていく為には、常に謙虚であり、常に挑戦し、理想を追い求めるようWINNING CULTUREを創って行かねばなりません。

空手道部 全国高校空手道選手権大会 学校対抗総合優勝 春夏連覇 4度目
    インターハイ 団体組手   優勝  6度目
     男子個人形   3位
     男子個人組手  3位
軽音楽部 全国高等学校軽音楽大会 関西地区予選会 優秀校
関西大会に出場

一人一人の部員がプライドをもってチームの為に貢献するために自分の役割を考え、そしてその役割を果たすためにどのような行動や言動をするのかが重要であることをしっかりと心に留めておいてください。部内でのいじめや暴力行為などのトラブルなど、もってのほかです。本当に強いチームは、チーム内の人間関係や練習環境、そして先生方との信頼関係など一つ一つの環境を整備し、一人一人の努力によってその様な形が創り上げられています。

硬式テニス部 インターハイ 男子シングルス 3位
 関西ジュニア選手権大会 女子ダブルス 3位
大阪私立高等学校総合体育大会 男子シングルス優勝
             男子団体準優勝
            女子団体3位
大阪高等学校総合体育大会 女子1年5000M競歩 2位

夏休みを終え、全校生徒には今『自分の中にめばえた変化』を忘れず、その変化を今学期更に変化させ、自分の目標に向って突き進んでほしいと思います。その様な行動と言動を期待し、その成果を楽しみにしています。『決意』を胸に焼き付け挑戦あるのみです。頑張ろー浪高生達。

第1回実用技能英語検定合格代表者 準1級合格

ボクシング部 男子インターハイ出場
全日本女子ジュニアボクシング大会出場
華道部 小原流学生いけばな競技近畿大会
団体戦 3位
個人戦 優秀賞・準優秀賞

2022年8月1日月曜日

NANIWA GLOBAL ACADEMY 2022開校

本日8月1日からNANIWA  GLOBAL  ACADEMY2022が開校しました。エンパワーメントプログラムから更に内容を充実させた形で、名称もNANIWA  GLOBAL  ACADEMYと変更し、本日から5日間、校内で英語に特化したアクティビティを実施します。このプログラムを通して世界で活躍したいと思ってもらえるきっかけになればと思います。コミュニケーション方法は英語で行い、コミュニケーション能力を養い英語を使いこなせるようになってもらえればと考えています。

この活動では、外国人講師がファシリテーターとなって本校の生徒達に様々な刺激を与えてくれます。そこから異なる文化を持った人と協働する力や自ら課題を発見し解決する力、プレゼンテーション力、そしてリーダシップなど多くの事をこのアカデミーで学んでほしいと思っています。このプログラムではグループワークが中心となり、様々な課題に対してアクティビティやスモールディスカッションなどの方法で共同作業を行ない、他者とのコミュニケーション力を培います。ONETEAMとなり様々な問題について議論し解決へと導いていくわけですから決して一人ではありません。不安や心配事は一切無用です。

開催にあたり私からは、そうした力をつける為には「失敗を恐れない」「人の話を聞く」「自分の意見や考えをしっかり伝える」「互いに認め合う」といった姿勢と、常に積極的に参加する姿勢が大切だと伝えました。

またキーワードとして伝えたのは「Fall Forward」です。「失敗してもいい。失敗は前に進んでいる。前向きに倒れているんだからまた立ち上がって前に進めばいいんだ」という意味を込めて伝えました。私の好きな映画俳優にデンゼル・ワシントンという俳優がいます。この言葉は彼の言葉です。オスカー賞を2度受賞した彼がある大学の卒業式でスピーチをした時、彼は「This is out of my comfort zone…」という言葉を述べました。「失敗したらどうしよう」「恥をさらすかもしれない」などたくさんのネガティブな発想でその場が非常に「居心地の悪い状態」となっていたのではないでしょうか。

でも彼はこの「居心地の悪い状態」から逃げ出すのではなく「今日、ここに来た理由は恥をさらすかもしれないという不安に正面から挑戦しようと思ったからです」と述べています。今回のグローバルアカデミーでも不安や心配事は多くあると思います。失敗や恥ずかしさなど多くのネガティブな発想が出てくることもあるかもしれません。しかし今みなさんは学びの場としてこのアカデミーに参加しているのです。「失敗しないように」という発想はこのアカデミーでは不要です。どんどん挑戦し多くの失敗や成功体験を積んでくれることを期待しています。

彼は最後にこう述べています。「I found that nothing in life is worthwhile unless you take risks」~リスクを取らないかぎり価値のある人生はないと思う~

今世界では「世界市民」としての使命を果たすことができる人材が求められています。将来、浪速高校を卒業した生徒が一人でも多く世界で活躍してほしいと願っています。その生徒が、「このアカデミーがきっかけとなり今の自分がある」というように振り返ってくれる日がくれば非常に嬉しく思います。たくましく、しなやかに生き抜くためには「生き抜く力」が必要です。その生き抜く力とは「知りえた知識」を上手く使う事が出来る力だと思っています。身近な問題から世界的な事まで一つでも多くの知識や考え、価値観を知ることで自分自身の考えはどんどん柔軟になっていきます。この5日間はそういった自分自身の中に潜んでいる新しい自分の発見と、自分の知らない新しい気づきと発見を一つでも多く経験し学び続けてほしいと思います。その感動をみんなで共有し最終日には大きく成長した新しい自分自身に会えることを期待しています。キーワードは「Fall Forward」です。