2023年6月28日水曜日

試験に備える生徒達を見て思う事  ~学ぶ喜びと感謝~

 現在本校は1学期定期考査前に入っており多くの生徒達が放課後校内で自学自習を行っています。一人で学習活動に励んでいる生徒、また生徒同士教え合いながら学習している生徒、先生に指導を受けながら学んでいる生徒、それぞれが学ぶ方法は違いますが自分の目標に向って努力している姿は非常にたくましく、そして楽しく学んでいる様子が伺えます。

この様な時間を仲間や先生方と過ごす事は、学力向上はもちろん「人や物、環境を理解する」きっかけにも繋がってくると思います。学習活動という共通な行動をグループで行う事で、また恵まれた環境で学ぶ事で自分の置かれている状況を認識し、そしてその様な状況に対して「人や物、環境」に対して自然に感謝の念を持つことが出来るようになると考えています。

こんな言葉があります。「Give honest  sincere  appreciation」【誠実に、心を込めて、相手の良さを認める】この言葉はアメリカの作家デール・カーネギーの言葉です。人間関係における大切な原則として書かれています。この言葉の中にある「appreciation」という言葉の意味は先ほどの「ある人や物を理解する」という意味で相手の良いところを理解して褒めるという意味があります。

英語の苦手な私は動詞のアプリシエイト(appreciate)を調べてみました。「鑑賞する」「感謝する」という2つの意味がありました。先日行われて芸術芸能鑑賞会においても最後に大きな感動と拍手が沸き起こりました。それはただボーっと見るのではなく作者や役者の意図や表現テクニックを見て深く理解しようとするとその良さや魅力がわかり大きな感動が生まれ「ありがたい」という感謝の気持ちを持つことが自然と出来ることで大きな拍手が沸き起こったのです。本校の生徒達はそのような誠実さと素直さを兼ね備えた生徒達なのです。

学校生活でも同じことが言えると思います。仲間や先生たちが日常の授業、昼食時間、休み時間、放課後の全ての活動に対して何を求めているのか、またその行動や表情などから多くの気づきがあると思います。寝ているだけ、話を聞こうとしない、深く考えない、など自分の目の前で起きている事に対し誠実に心を込めて理解しようとしない限り理解することなどは到底できません。

今日放課後校内を巡回している中で定期考査に向けて熱心に学ぶ浪高生達の様子を見ていて学習の向上の為に活動しているだけではなくその様な共に学ぶ事が出来る仲間がいるという「わかり合える人」、そしてそのような環境を「つくる人」が存在してこそ良い人間関係を構築することができるのではないかと思っています。これは部活動やクラス内においても同じだと思います。【誠実に、心を込めて、相手の良さを認める】そのような姿勢と言動が大切だという事を改めて認識しました。

日々頑張って努力している浪高生達には素晴らしい学びの環境の中で過ごすことが出来ている仲間たちに感謝し、しっかりと準備して誠実に心を込めて持てる力を出し切ってもらいたいと思っています。頑張れ―!浪高生達。


2023年6月26日月曜日

3年生多聞合宿

 週末高校3年生が多聞合宿に出かけました。今回の目的は英語・国語・数学3教科の共通テスト演習対策として様々な入試問題に取り組み解説を行う事で入試問題における対応対策を練ることを大きな目的として実施しました。生徒達はしっかりと演習に取り組んでくれていました。

3年生にとって7月からの夏休みは本当に重要な期間となります。夏を制する者は受験を制すると言われておりしっかりとした準備と目的を明確にして一日一日を大切にどのように過ごしていくのかが大きく問われてきます。時間は全ての人に平等に与えられていますがその使い方は自分次第です。

国公立大学や難関の私立大学を目指す生徒達にとってこの1泊2日の多聞合宿は一つの通過点でしかありません。この様な機会をどのように生かして次につなげるかは今日からの学習活動にかかってきます。小さな学習活動の積み重ねが大きな成果を生み出し自分の夢の実現を可能にしてくれます。学習活動には一発逆転や即効性のある学習方法はないのです。

すぐに結果や成果を求めるのではなく気持ちに余裕を持って今自分が行っている学習活動に自信を持って実践していく事が大切です。もちろん不安や心配もあるでしょうがそれらは良い成果を出すためには必要ではありません。必要な事は周りに惑わされず前に進む勇気です。これしかないと思います。

これから1学期の定期考査が行われそれが終わると3年生は7月下旬から京都で長期間の学習合宿が行われます。3年生にとっては高校生活最後の夏となります。ぜひ後悔のない夏にしてもらいたいと思います。

そして最後に全ての浪高生に伝えます。クラブ活動や学習活動にただ参加するだけでは何の意味も自信もついてきません。自分の行動にはしっかりとした目的を持ってほしい。その毎日の積み重ねが少しずつ自分に変化を与え、それが成果となって表れてくるのです。特に3年生には一日一日を大切にすること、そして充実した高校生活最後の夏にしていくためにも今以上の奮起を期待したいと思います。

2023年6月24日土曜日

1年生保護者対象進路講演会

 本日は放課後体育館にて高校1年生の保護者を対象に進路講演会を実施いたしました。1年生も高校生活に慣れてきて、進路について少しずつ考えていくようになります。本校では早い時期から大学入試に向けて準備できるように、この時期に外部の大学の先生をお招きして保護者を対象に進路講演会を実施しております。1年生のこの時期にしっかりと考えるべき事や行っておいた方が良いことなど、特に保護者の方に知っておいて頂きたい内容についてお話頂きました。

本日講演をして頂いた先生は、全国47都道府県全てでご講演された経験を持ち、講演会数は3000回を超えられている有名な先生です。大学入試も新入試が導入されるなど大きく変わってきています。また大学での学びについても求められることが大きく変わってきています。高校時代に身に付けなければならない事、知っておかねばならない事などをしっかりと把握しておくことが大事だと考えています。

私達教員集団も生徒達には日常の学習活動の中で進路や入試について必要なことは伝えています。これからもどんどんとお伝えしていきます。そして本日の講演会が、保護者の皆様にも現在の大学入試の現状や大学が求めている生徒像など、理解しておくべき知識や知りたいと思っていた内容の講演会となっていれば幸いです。

学校と保護者が生徒の進路実現に向けて力を合わすことが出来れば生徒にとっても大きな心の支えとなると思います。1年生の保護者の皆様にも大切なお話と期待して頂けたのか、予想を超える保護者の皆様にご参加頂きました。熱心な保護者の皆様のご期待に応えられるようこれからも生徒達を全力でポートしていきたいと考えております。本日はお忙しいところご参加頂きありがとうございました。

2023年6月21日水曜日

今もう一度自分を見つめ直す。

 「Maybe it's not about the happy ending, maybe it's about the story.」

 人生がハッピーエンドに終わるかどうかよりも、ちゃんと内容のある人生だったかが大事なの。

アテナ・オーチャードは、イギリス人で13歳という若さで骨肉腫(骨に発生するガン)により亡くなりました。数日後に家族が持ち物を片付ける時に、彼女が使っていた鏡の裏に 3,000 語に及ぶメッセージが隠されており、オーチャード一家の心の拠り所となったというエピソードは日本のデレビ番組でも紹介されました。

生前の彼女は下のこの面倒をよく見るいい子で学校でも人気があり、ボクシングに夢中だったそうです。彼女の体に異変が起きたのは、そのボクシングの練習中に違和感をもち、後頭部にしこりがあることが発覚したことでした。しこりはやがて大きくなって痛みを伴うようになり病院で診てもらうと、脂肪の塊で身体に吸収され、いずれなくなるとの診断で一安心したものの、数カ月後に自宅で意識を失って倒れて病院に緊急搬送されます。

しこりは脂肪の塊ではなく骨のガンである『骨肉腫』であることが判明しました。すでに背中や肺に転移していて手の施しようがない状態だったそうです。翌日、7時間半にも及ぶ壮絶な手術を受けましたが、ほんの僅かな延命措置に過ぎない結果となり非情にも余命1ヶ月という宣告を受けることになってしまいます。抗癌剤治療をやめて家族との時間を大切に過ごすために自宅に戻ることにした彼女はそれからおよそ5ヶ月後に亡くなりました。彼女の葬式後、父は彼女の荷物整理のために入った彼女の部屋で鏡の裏に書かれていたメッセージを見つけました。

そこには普段は明るく振舞っていた彼女の死への恐怖が 3,000 語にわたって綴られていました。今回紹介した言葉はその中のひとつです。両親は彼女には余命宣告の事実を伏せていましたが、自分の死が残りわずかであるということを悟っていたのでしょう。みなさんは高校生ですから1年生で誕生日がまだだったとしても15歳です。そんな今より2年早く自分の生涯が終わっていたら…。今回は我々が想像さえできないほど短い生涯となった彼女の魂の言葉です。

目前に迫る人生の終わりを前にして大人であってもこんなことが言えるだろうか、それを13歳というまだ幼い世代の人が…。心の底から生きることを望み、それが叶わない中で僅かな時間をどう生きるのかに集中した彼女の言葉の中に大きなパワーを感じます。当たり前なんて存在しません。

みなさんには今回この言葉から彼女の短い生涯に触れてみて、このタイミングで自分の人生を中身のあるものにする為にも、今の自分の姿を見つめ直し、本当にこれでいいのかをもう一度考えてみる良い機会にしてくれれば嬉しいです。

2023年6月18日日曜日

第1回クラブ体験会開催

 本日は2024年度入試に向けてのクラブ体験会を校内と高天原スポーツキャンパスで実施いたしました。中学3年生の受験生の皆様にとっては高校受験に関して志望校を決定していくうえで学校に直接足を運びそこで学ぶ生徒達、そして先生方と一緒に同じ時間を過ごす事はその学校を知る上で非常に大切な事ではないかと考えています。

これから夏にかけて私立高校の志望校を検討していく時期になってきます。今日ご来校頂いた多くの受験生とその保護者の皆様におかれましては、本日クラブ体験会に多数のご参加をいただき本当にありがとうございました。100周年を迎え新たな100年に向けてスタートした新しい浪速の姿を肌で感じて頂いたのではないかと思っています。

文武両立を目指す本校は勝利至上主義に陥ることなく一人一人の生徒達が日々学校生活を充実させ、仲間との絆を深め将来に向けてたくましく育つことを大切に教育活動を進めています。学業だけではなく部活動を通じて、教室では学ぶことが出来ない事を一つでも多く学んで浪速を巣立っていってくれることが一番だと考えております。

最高の環境を整えている本校の施設で、素晴らしい仲間達との青春時代を中身の濃い、密な時間を過ごしてほしいと思います。今日の時間をみなさんと共に過ごせたことに感謝しこの出会いをこれからも大切にしていき本校で学ぶ生徒達が更に成長できるきっかけとなる事を期待しています。

次回のクラブ体験会は8月27日(日)です。ぜひ「GOOD SCHOOL 浪速」を体験していただきたいと思います。一人でも多くの受験生と出会い素晴らしい時間を過ごすことが出来たら幸いです。みなさんのご参加を心からお待ちしています。そして本日ご参加いただいた受験生と保護者の皆様本当にありがとうございました。またお会いできるのを楽しみにしています。


2023年6月15日木曜日

4年ぶりの開催 芸術芸能鑑賞会

 本日は開校100周年記念として堺市にあるフェニーチェ堺にて芸術芸能鑑賞会を実施しました。4年ぶりの開催となった芸術芸能鑑賞会ですが今年度は100周年という記念すべき年という事もあり中学校と高等学校の全校生徒が午前と午後の部に分かれ鑑賞する事になりました。本日は「カーリーの青春」という観劇を劇団自由人会のみなさまに公演いただきました。

全国の高等学校等で公演を行われており鑑賞者数は115万人に上り1850回ものステージで多くの高校生たちに感動を与え、そして青春時代を過ごす十代の若者に多くのエールを送って頂いてきました。

中学・高校2900名の生徒達はこの「カーリーの青春」という一人の少女の物語を鑑賞しその物語の中にある「愛」というキーワードが自分の人生にどのような影響を与え豊かにしてくれるものかをそれぞれの心の中で感じ取ってくれれば嬉しいです。

本日は本校の生徒達の為に公演していただいた出演者の皆様、そしてスタッフの皆様、会場をお借りさせていただいたフェニーチェ堺の関係者の皆様全ての方々に対して深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました。明日からの学校生活の中で今日の公演で感じた事、気付かされたことを生かしてより充実した学校生活を創り上げてくれることを楽しみにしています。

2023年6月14日水曜日

6月朝礼 ~友との別れ~

 梅雨の時期に入って毎日どんよりとした日が続いていますが、本校の生徒達にも影響が出ていないか日々心配をしている所です。そんな中ではありますが部活動においてはインターハイの予選など多くの大会が行われており多くの部活動で好成績を残してくれています。

大阪高校陸上競技選手権大会 5000M競歩 優勝
大阪高校春季テニス大会
男子団体 準優勝
女子団体 準優勝

本日の朝礼では、頑張っている生徒は今以上に、そして少し停滞している生徒は少しでも前進できるように頑張ってもらう為にいつも通り1つのキーワードを伝え、生徒達とそのキーワードを共有し、その必要性を伝えました。特に、この様な季節においても環境に惑わされる事無く充実した学校生活を過ごすためにはどうすればいいのかについて話しました。キーワードは「感情に惑わされるな」です。

大阪総合体育大会 ボクシング各階級 2位・3位

大阪総合体育大会 ボクシング各階級 2位・優勝
人の行動は「感情」によって大きく左右されると思っています。人間の素晴らしい事は感情を持てる事です。嬉しい、悲しい、辛い、苦しい、良い事ばかりではありませんがその時々で様々な感情が芽生えます。その感情をエネルギーにして、人はどう行動するかを判断していると思っています。気分がのっている時、そうではない時で感情は変化します。しかし、大切なのは感情に流されるのではなくその時々で誠実で正しい判断を下し行動できるかどうかです。

大阪高校空手道選手権大会  男子 
団体組手 優勝 
個人組手 優勝・2位・3位
団体形 優勝
個人形 2位
大阪高校空手道選手権大会  女子
団体組手 準優勝
個人組手 優勝・2位・3位

生徒達には様々な感情に惑わされることなく、その場、その時の状況を冷静に判断し誠実な正しい行動をとることが大切な事だと訴えました。その事が自分自身を成長させるために必要不可欠な事であり、本校に入学して以来いろんな事に挑戦している浪高生達一人一人の自分の冒険の旅をこれからも安心して進んで行く為にも今日の話は心に刻んでおいてほしいと伝えました。

その時々の感情をしっかりと受け止め、その感情を自分でコントロールして、次の行動へと移す為のエネルギーとして上手く活用していかねばなりません。これからの社会を生き抜いていく為にはそのようなスキルを身に付ける必要があります。その為には日常の生活から、小さなことからでいいので自分自身を客観的に見つめておく必要があります。ぜひ取り組んでもらいたいと思います。

そして今日は昨年9月から10カ月間本校に留学していた生徒が最後の登校日となりました。今日の朝礼の冒頭生徒達にお別れの挨拶をしてもらいました。彼は国際コースに所属しクラスメイトの生徒達はもちろん部活動にも積極的に参加しており校内でも人気者の生徒でした。別れは寂しいですが「必ず日本の大学に進学し、また浪速に戻ってきます。」と言ってくれ本当に嬉しい限りです。これからの彼の人生が幸せなものになる事を心から祈願しています。 looking forward to seeing you again.

2023年6月9日金曜日

心の支え ~言霊~

 神社神道の学校で学ぶ本校の生徒達はよく【言霊】(ことだま)という言葉を校内で聞いています。言霊とは「言葉に宿っていると信じられていた不思議な力。 発した言葉どおりの結果を表す力」です。言葉に力が宿ること、そして言葉が目に見えない力を持っていることを意味する事を本校の生徒達は知っています。自分が発した言葉が何らかの形で現実に影響を与え、良い方向へも悪い方向へも導くという考え方のことです。 日本では昔から、言葉の持つ力が信じられてきました。

この時期は新年度に入って2カ月が経ち新しい環境にも慣れてきて当初の緊張感も和らいでくる時期です。梅雨に入って天候もどんより。心の中もすっきりと晴れない時が多い時期にもなります。そんな時にいろんな不安や心配事、または失敗など自分にとってマイナスな出来事が起きる事があります。そんな時大切な事は「心の支え」となる言葉ではないでしょうか。言葉として自分の心の中に支えとなる物を持っているのとそうでないのとでは、進むべき時に前に進めるかどうかに関わってくると思います。

進みたい道はあるがその道に進む勇気が出ない、勉強しないとダメだとわかっているけれどどうしてもやる気が出ない、もっと頑張らなくてはいけないと思うけれど気持ちがのらない、などいろんな気持ちが錯綜し前に進めない。その様な事は誰にでもあると思います。そんな時に前に進む勇気を与えてくれるのが1つの「言葉」だと思います。

世の人達は何かに耐えながら自分の高い目標に向けて努力しています。年齢に問わずそれぞれのステージで自分のやりたい事、また幸せな未来の為に頑張っています。自分の未来をそして今この瞬間を幸せだと感じられるような毎日を過ごすためにもぜひ心の支え~【言霊】~を一つ持ってくれたら嬉しいと思います。

高校を卒業するときの進路は進学・留学・就職と様々な選択肢があります。進学の一つにしてもどこの大学、そして何を学ぶのか、それとも専門学校なのかなど選択肢はどんどん広がっていきます。そのたくさんある選択肢の中からどれを選ぶのか。その答えに正解はないと思います。その選択肢が正解かどうかの答えはずーっと先の未来に待っているでしょう。

大切な事は今も、そしてこれからも自分が選んだ道を正解だと思えるための努力をする事です。出来るか出来ないかではなく自分が選んだ道を進むために心の支え~【言霊】~をしっかりと持って前に進んで行く事だと思います。

どんな選択をしても不安はつきものです。不安になる事は決して悪い事ではありません。不安をなくすために努力をすればいいだけです。浪高生達の皆さんにはこの事をもう一度このタイミングで考えてほしいと思います。そして新学期の当初に掲げた目標に向け、心の支え~【言霊】を胸に焼き付けてまた一歩一歩前に進んでください。

2023年6月7日水曜日

自分への制限を解放せよ!

「Do not let what you cannot do  interfere with what you can do.」

  出来ないことを出来ることの妨げにしてはいけない。

この言葉はジョン・ロバート・ウッデン氏の言葉で、彼はアメリカ合衆国インディアナ州ホール出身の元バスケットボール選手として活躍され、その後指導者となり、卓越した指導力で UCLAを、7連覇を含めて10 度の全米制覇に導き、「ウェストウッドの魔術師」「20世紀最高の指導者」と謳われた名監督です。

私自身もスポーツを指導する中で『できない理由を探してはいけない』という言葉を使ってきました。自分で自分の成長を妨げるようなことをしてほしくないという思いからそのように伝えてきました。その中で今回の言葉を知った時に、今まで以上に、『できない理由を探してはいけない』と伝えられそうな表現が見つかったなと感じました。

私たちは、メディアが発信する情報や、学校の授業、部活動などで教わる情報から、“知識”を得ることで日々成長(アップデート)しています。せっかく学んだその知識を有効活用できている場合と、活用まではできていないことがあると思います。考えてみてください。

現在、高校生であるみなさんがこれまでの自分が歩んできた道を振り返ってみると、できないことよりも、できるようになったことの方が多いのではないでしょうか?なぜそのように感じられるのかというと、先に述べたように日々成長しているからです。

でも今は、幼い頃よりもできないことに対する感じ方は全く違うものになっているのではないでしょうか。幼い頃はできないことの方が圧倒的に多かったことから、大げさにはなりますが“何が何でもできるようになりたい!”という好奇心が自分の心の中の大部分を占めていたと思います。

しかし、現在はできなくても、支障がない知識や技術も多数存在します。また時々、面倒だとか苦手だという理由で、出来るようになりたいという意欲が高まらない時があるのです。それはかなり“もったいない”ことだと思います。知識もですが“物”も同じで現代社会には足りない物なんてないほど様々な物で溢れています。しかしそれは今までの物が進化して別の形になっているパターンがほとんどです。そういう意味ではできるようになったことが多ければ多いほどそれらが今後のみなさんの経験によって進化し、素晴らしい『武器』をたくさん持つ人になれると考えることができます。

大切な事は自分が自分の進化を一番妨げる存在であってはならないという“気づき”が重要であるという事です。自分の可能性に制限をかけず、好奇心というエネルギーをどんどん有効に使っていき毎日が幸せになる為の「冒険」をしてたくさんの『武器』を手に入れてほしいと思います。