2024年7月23日火曜日

伊勢修養学舎1班 3日目 ~神楽奉納と豊栄の舞~

 1班の生徒達も3日目の最終日を迎え早朝から男子と女子に分かれしっかりと行事を行ってくれました。昨日の準備の成果もあり良い形で終えることが出来たと思います。

閉校式では開校式とは全く違う成長した姿で臨んでくれこの3日間の修養の成果が出ていたように感じとることができました。生徒達のバスに乗り込む様子を見ていると一人一人から「やり切った!」という達成感みたいなものを感じれたことが大変嬉しく思いました。

1班が伊勢を出発した1時間半後、2班の生徒たちが伊勢に到着。昼食をとった後はすぐに開講式を行い、終了後は伊勢修養学舎の最初の行事校長講話を40分実施。その後、猿田彦神社への正式参拝、そして外宮へ参拝後宿舎の戻って夕食、夕食後はすぐに大祓詞の講義、その後は男子と女子に分かれて神職の先生方からの禊指導と礼儀作法.着付けの指導と修養行事は消灯時間ぎりぎりまでしっかりと行われます。

明日の2日目の神道行事として内宮の敷地内にある神楽殿という場所にて御神楽の奉納を行います。毎年別大々神楽(べつだいだいかぐら)という神楽をご奉納させていただいており生徒達は大神様に3年間の学校生活の充実と健康を祈願しています。

この神楽舞は、倭舞(やまとまい)・人長舞(にんじょうまい)・舞楽(ぶがく)から構成されており、倭舞は女性神職(舞姫)4名による和琴、笛、篳篥(ひちりき)、笏拍子(しゃくびょうし)による大和歌に合わせて舞う、幽玄な余韻がある舞となっています。また舞楽においては蘭陵王(らんりょうおう)という雅楽の曲名の1つで武人の舞らしい勇壮さの中に、美貌で知られた蘭陵王を偲ばせる優雅さを兼ね備えた素晴らしい舞となっています。

本校の生徒はこの様な5世紀初めから10世紀にかけて中国大陸や朝鮮半島、ベトナム、インドから渡来した外来音楽、そして11世紀ごろ日本の宮廷内で流行った物を実際に見て、聞く事でその当時の先人たちの想いを少しでも感じ取ってくれれば嬉しいと思っています。(また、本校の修養学舎で神宮の神楽に魅せられ、舞姫さんになった卒業生も現在奉職されています。)

そして女子生徒にとって最も大事な行事が「祭式教室での指導」です。この祭式教室では女性神職の先生から「豊栄の舞と作法指導」についてご指導を頂きます。男子生徒の「禊」と同じく、この伊勢修養学舎の中で女子生徒は「豊栄の舞と作法指導」を行い、「正しい礼儀作法・着付け」を体験します。その体験から本校の校訓である「浄・明・正・直」を心の軸とし、感謝の気持ちを持てる「人」としての成長を図ることを目的としています。

そして「豊栄の舞」は、女性が舞うことを前提に作られたため、別名「乙女の舞」と呼ばれています。この舞は神への感謝の気持ち、自然への畏敬が表現されており、この世の様々なものに神々が宿ると考える日本の文化が反映されていると考えられています。舞を習うことで日本人が育んできた歴史の重み、伝統のすばらしさを感じ、「生きること」について考えて欲しいと思っています。

男子生徒の「禊」と女子生徒達の「舞」この二つの神道行事はこの浪速でしか経験できないものです。その経験から学ぶ事は他にはない事をです。このような経験をさせて頂いた事への感謝の気持ちとこの経験をいかに今後に生かしていくかを考え、行動に移してくれることを期待しています。

1班の生徒達は無事に大阪に到着して解散したとの連絡を受け、1班の伊勢修養学者を終えることができました。これで浪高生になったわけです。明日からの学校生活に大きな変化が芽生え、充実した生活を過ごすためにもこの伊勢修養学舎での経験を生かしてください。2班の生徒達にも、1班同様に浪速の魂を身に着けてもらうことができるよう頑張っていきます。