2020年6月5日金曜日

差別・偏見は許さない

6月1日に人権教育推進委員会から見えないウイルスへの不安から差別や偏見をもたらしていることについての文章が配布されたと思います。読みましたか?今感染拡大が収まってきている中、問題となっているのが「差別・偏見」です。みなさんは「差別・偏見」は絶対にダメであると知っています。でもなくならないのは何故か?今日はその事について話をしたいと思います。

日本赤十字社のホームページを見てみると「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!~負のスパイラルを断ち切るために~」というページがあります。そこを見てみるとこのウイルスが怖いのは「3つの感染症」という顔があることです。

1つ目は「病気そのもの」です。このウイルスは感染者との接触で移ることがわかっています。2つ目は「不安と恐れ」です。ウイルスは目に見えません。ワクチンや薬もまだ開発されていません。そして3つ目は「嫌悪・偏見・差別」です。このように見えないウイルスへの不安が特定の対象(人や地域・職業)を見える敵として見なしてしまい嫌悪の対象となります。

次にその対象を自分から遠ざける為に偏見し差別することによってつかの間の安心感を得る。これが偏見や差別が生み出される流れです。病気が不安を呼び、不安が差別や偏見を呼び、差別や偏見が更なる病気の拡散に広がる。負のスパイラルです。

新型コロナウイルス感染症が引き起こしたパンデミックが原因となり感染患者や医療・福祉に関わる人々に対する差別や偏見、ヘイトスピーチなどの暴言、アメリカで発生した黒人男性への警察官の暴力によって亡くなった事件、またSNSでの誹謗中傷で自殺したとされる女子プロレスラー。全ては差別と偏見が原因となり起きたことだと思います。

それぞれ原因は違うかもしれませんが結果的に差別や偏見という形となって表れているのは事実だと思います。私たち人間は弱い生き物です。いつも心の安心を求めているのです。その心の安心を求める方法を間違わないでほしいと思います。人を憎み、傷つけ、見下すことで安心感や自己肯定感を求めてはいけません。自分の周りに起きていることを冷静に受け止め、正しい情報を自分で集める。人に聞いたことではなく自分で情報を集め、確認し、判断すること。噂話に翻弄されず自分の判断を信じ迷ったときは周りの人々に遠慮なく相談してください。

その様にしていけば差別や偏見は無くなっていくと思います。学校生活においても同様です。ネット社会での誹謗中傷、人間社会でのいじめなどすべては自分の固定観念に縛られることによって他者の意見や考えを受け入れる事が出来ず、批判や否定をすることが自己主張であると思っているのではないでしょうか。

互いを認め合い互いの考えや価値観を共有することによって、新しい考えや価値観が生まれてきます。人の意見や考えに耳を傾ける。その人の気持ちになって考える。そう言った態度と行動が大切なことだと思います。批判や否定ばかりでは前に進めません。お互いの違いを認め合った上で新しい具体的な解決策を考えるようお互いが努力することが大事だと思います。これを機にもう一度私たちは差別や偏見を許さない態度と行動を改めて考えないといけないと思います。