2020年4月27日月曜日

浪高生アスリートの諸君へ

4月26日全国高等学校体育連盟の臨時理事会が開催され今年度の全国高校総合体育大会(インターハイ)は史上初めて中止となりました。昭和38年から開催されたこの大会は高校生にとって、特に3年生にとっては高校生活「最後の夏」となる大きな夢の舞台であると認識しています。その大会を中止と決断された先生方の断腸の想いは計り知れず、高校生のアスリートたちにとっても大きな目標を失い心の中に大きな穴がいたような空虚感に包まれていると思っています。

本校においても、毎年多くのクラブ活動が出場しているインターハイが中止となった事は、この浪速で3年間の集大成としてインターハイを目標に頑張ってきた生徒たちの事を考えると私も同じスポーツを愛する一人として悲しみと、悔しさ、辛さ、寂しさなどが混在した気持ちに今包まれています。

そこで本校のアスリートたちに伝えたいと思います。今みなさんはインターハイ中止という現実を知り混乱し動揺して目標を失い今後の高校生活をどうすればいいのか。失望感と不安感を持っていると思います。今後はチームメイトとその気持ちを共感する事も必要だと思います。そこで自分だけでなく仲間も同じ想いを持っているという事に気が付き、そして日本中の高校生アスリートも同じだという思いにもなれるでしょう。「自分一人ではないんだ」と感じてくれたらいいと思います。そんな時間を持つ事も重要だと思います。
それからでもいいです。少し落ち着いたら考えてみてください。世の中には自分でコントロールできる事とできない事があると前に伝えました。そう今、日本中の高校生のアスリートのみなさんは、自分ではコントロールできない局面に立たされているのです。例えばみなさんは試合中そのような局面に立った時どうしますか?混乱して自棄になったり、自分を見失ったような行動や判断をするでしょうか?もしそのような行動や判断をしてしまうと試合結果は残念な、そして後悔の念をもった結果となるのはみなさんなら理解できると思います。きっとみなさんなら、まずはその状況を冷静に素早く判断し、今自分が出来る事を考え、仲間を信じ、そして今までやってきた厳しい練習を乗り越えてきた自分自身を信じ、思い切ってやり切るしかないという気持ちになるのではないでしょうか?

このように自分でコントロール出来ない状況になったときは、まずはコントロールできる事から一つ一つやっていくことが大事なのです。自分を信じて、こんな時こそスポーツの原点「楽しむ」という事を思い出して、少しぐらい時間がかかってもいい、新しい目標を見つけてほしいと思います。今やっている大好きなスポーツはこれからも出来るんだから。みなさんは日本のスポーツ界の宝でありこれから無限の可能性を秘めたアスリートであることを決して忘れないでください。

この世にみなさんの「健康と生命を守る」という事より優先しなければならないことは一つもありません。スポーツに青春を懸けることはすばらしい。でも健康と生命は懸けるものではない。

本校運動部のアスリートの諸君に伝えます。 『go  forward』 前に進め!