今日21日から26日までの期間で第69回伊勢修養学舎〈お伊勢参り〉が5班に分かれて実施されます。今年度もコロナ感染対策として宿泊ではなく日帰りでの修養行事といたしました。
浪速高等学校の建学の精神「浄・明・正・直」は神社神道の教えからくるもので本校の教育の根幹であり「敬神崇祖」と共に99年間揺るぎない教育理念です。本校は69年間、毎年7月(昨年は11月に実施)に伊勢修養学舎を実施し、内宮・外宮などの関係神社の参拝、そして大祓詞(神拝詞)の講話・奏上・書写などの実践を行い、浪高生として神道への理解を深め、日本文化の素晴らしさと神秘性を学びます。本校のアイデンティティである神道の奥深さを知るためにこの行事を長きにわたり実施してきました。
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開校式 |
本校では従来【伊勢修養学舎】は2泊3日で行われている最も重要な学校行事です。この3日間において男子生徒、女子生徒共にいろんな修養行事に参加し本校でしか学びえない事を体験することで浪高生となると言われています。生徒達はこの行事を未来永劫『心の支え』として高校生活の中での思い出として残してくれています。
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内宮参拝 |
今日はその中で男子生徒が行う『禊』(みそぎ)についてお話したいと思います。
日本では昔から生活をしているうちについつい過ちを犯し身や心に罪や穢が付くと言われています。その罪や穢を取り除き神のご加護を受ける事によって健康で幸せな生活が送れると考えられてきました。その浄化力を持つと言われる「水」を用いて行うのが『禊』という方法です。日本は水に恵まれた国で水は山から河川を通り海へと流され国を清めていると考えられています。この様な自然環境が日本独自の水の文化を生み水の浄化作用に対する信仰を育んだとされています。
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禊 |
『禊』の語源は「身削」「身滌」(みそぎと読む)から出た言葉であると云われ身体を川や海に浸けたり滝に打たれたり泉や井戸の水を浴びたりして罪穢という汚れを洗い流しすすぎ清めるのが『禊』であります。本来神社に参拝したり、祭りのご奉仕を行う者は古来禊をするのが原則と言われていましたが、現在では神社の社頭に手水舎があり参拝者はここで手を洗い、口をすすぎ清めるのが通例となっています。これは古来の禊の簡略された形態です。
そこで本校では神社神道の学校で学ぶ生徒としてこの『禊』を体験し、多くの事を感じ取ってほしいという考えから、70年近くの間この『禊』が行われています。(この3年間はコロナの影響で実施できず)
伊勢修養学舎の修養行事の中で、この『禊』は男子生徒にとって最も重要な修養行事となっており前夜から「道彦」と言われる禊指導の先生に指導を受け、しっかりと練習を行い、早朝に五十鈴川に浸かる禊を2回実施しています。男子生徒にとっては初めての体験であり、本校でしか体験できない修養行事となっており伝統行事となっています。
今日参加した1班の生徒達は伊勢の地で風を感じ、音を聞き、目で見ることで何かを感じ取って新しい発見をしてくれたと思っています。その学びがこれからの学校生活の行動に新たな変化が生まれてくることを期待しています。