今日は全校生徒対象に3時間目を使って年に一度の校長講話を実施しました。大切な授業を一コマ頂き、校長として全校生徒がよりよい学校生活を過ごすために、そしてこれからの社会を生き抜くために何が大切なのかを気持ちを込めて伝えました。テーマは浪速の生徒生活指導の目的についてです。
生徒生活指導は本当に難しいと思います。そう簡単なものではありません。本校には「浪高生20の約束」という指標があります。その指標を基に本校は日々生徒生活指導を実践しています。生徒生活指導には、服装指導や遅刻指導など形に現れるものもありますが、特に本校が大切にしている事は、指導している生徒達の心のありようを感じ取ること、個人や集団が外に醸し出すその場の空気感を掌握すること、そして正しい環境の整備であると考えています。
最近は何でも「見える化」と騒がれますが、見えない個人の心のありようや、学校や教室、部活動の空気感の掌握、良い雰囲気を醸成する教育力が重要となってきます。例えば、全体的に凛とした空気感を持ち、秩序が感じ取れる裏表のない問題のない集団と、見えない所で悪質な嫌がらせや弱い者イジメはあるが、表面上は大きなトラブルも無く問題無いように見える集団とでは、空気感は明らかに違います。
どちらも、表だって見た目のトラブルはありません。イジメは見ようとしなければ見えず、時として見ようとしても中々見えない場合もあります。そんな中でも、具体的にイジメは発見できなくても、全体の空気感の中にイジメが起こりやすい雰囲気かどうかは、集団の空気感の違いから見て感じることができます。登下校の際の生徒の様子、服装の状態、一人の人間のわがままな言動がまかり通ってしまっているかどうか、生徒がのびのびと振る舞えているかどうか、授業中のちょっとしたやりとりや休み時間の振る舞い、レストランでの雰囲気など細かな所をよく観察していると必ず見えてきます。
私たちはそういった学校内での見守り、セーフティ-ネットを日常から大切にしています。その内の一つとして「浪高生20の約束」いわゆる校則があります。校則とは、そのような目には見えない一人一人の生徒の内面的な感情を感じ取ることが出来る一つの指標であると思います。校則はけっして生徒達を束縛する為のものではありません。一人一人の生徒が安全で安心して学校生活を過ごす為には、その場の環境が大切となってきます。その場の空気や環境が乱れていては大きな成長は望めません。そういった環境を万全に整えるためにも校則は必要な事の一つなのです。
そして、学校生活の中で「少しぐらいなら良いだろう」といった考えや、「何も言われないから」ではなく、校則を基に自分の考えている事、やろうとしている事の善悪を正しく判断し、自らが正しい行動をおこそうとする「主体性」と「自律性」を身に付けてほしいと思います。浪高生のみなさんは素直な正しい心を持った生徒達ばかりです。必ずできると確信しています。浪速の生徒生活指導はそういった目には見えない大切なものを整える心の指導であるという事を浪高生のみなさんには理解してほしいと思います。そして私はその事が今後の人生の中で必ず役に立つことを知っているからこそ、今日校長講話でその大切さを浪高生のみなさんに伝えさせてもらいました。浪高生のみんなしっかりと聞いてくれてありがとう!