2023年6月21日水曜日

今もう一度自分を見つめ直す。

 「Maybe it's not about the happy ending, maybe it's about the story.」

 人生がハッピーエンドに終わるかどうかよりも、ちゃんと内容のある人生だったかが大事なの。

アテナ・オーチャードは、イギリス人で13歳という若さで骨肉腫(骨に発生するガン)により亡くなりました。数日後に家族が持ち物を片付ける時に、彼女が使っていた鏡の裏に 3,000 語に及ぶメッセージが隠されており、オーチャード一家の心の拠り所となったというエピソードは日本のデレビ番組でも紹介されました。

生前の彼女は下のこの面倒をよく見るいい子で学校でも人気があり、ボクシングに夢中だったそうです。彼女の体に異変が起きたのは、そのボクシングの練習中に違和感をもち、後頭部にしこりがあることが発覚したことでした。しこりはやがて大きくなって痛みを伴うようになり病院で診てもらうと、脂肪の塊で身体に吸収され、いずれなくなるとの診断で一安心したものの、数カ月後に自宅で意識を失って倒れて病院に緊急搬送されます。

しこりは脂肪の塊ではなく骨のガンである『骨肉腫』であることが判明しました。すでに背中や肺に転移していて手の施しようがない状態だったそうです。翌日、7時間半にも及ぶ壮絶な手術を受けましたが、ほんの僅かな延命措置に過ぎない結果となり非情にも余命1ヶ月という宣告を受けることになってしまいます。抗癌剤治療をやめて家族との時間を大切に過ごすために自宅に戻ることにした彼女はそれからおよそ5ヶ月後に亡くなりました。彼女の葬式後、父は彼女の荷物整理のために入った彼女の部屋で鏡の裏に書かれていたメッセージを見つけました。

そこには普段は明るく振舞っていた彼女の死への恐怖が 3,000 語にわたって綴られていました。今回紹介した言葉はその中のひとつです。両親は彼女には余命宣告の事実を伏せていましたが、自分の死が残りわずかであるということを悟っていたのでしょう。みなさんは高校生ですから1年生で誕生日がまだだったとしても15歳です。そんな今より2年早く自分の生涯が終わっていたら…。今回は我々が想像さえできないほど短い生涯となった彼女の魂の言葉です。

目前に迫る人生の終わりを前にして大人であってもこんなことが言えるだろうか、それを13歳というまだ幼い世代の人が…。心の底から生きることを望み、それが叶わない中で僅かな時間をどう生きるのかに集中した彼女の言葉の中に大きなパワーを感じます。当たり前なんて存在しません。

みなさんには今回この言葉から彼女の短い生涯に触れてみて、このタイミングで自分の人生を中身のあるものにする為にも、今の自分の姿を見つめ直し、本当にこれでいいのかをもう一度考えてみる良い機会にしてくれれば嬉しいです。