2021年11月22日月曜日

考え方で大きく変わる

≪『できない』じゃなくて『どうやったらできるか』を考えて、どうにかできるように。そういう方向に考えを変えてほしい。≫この言葉は日本体操界のレジェンド内村 航平選手の言葉です。内村選手は日本のプロ体操競技選手として活躍されており過去オリンピック4大会に出場し、個人総合2連覇を含む7つのメダルを獲得し世界体操競技選手権でも個人総合での世界最多の6連覇を含む19個のメダルを獲得しています。

これまで日本の体操競技の象徴とも言える存在感と活躍で、国内外を問わず多くの人々が彼の演技に魅了されてきました。東京五輪では実力を発揮しきれない悔しい思いをされましたが、その時のインタビューでは『報われない努力もあるんだと思った』というコメントもあり、今回紹介する言葉のようなポジティブな発言ではなく、失敗した直後だから素直な言葉だと受け取ることが出来ました。しかしその後にはもう『でも、改めて体操は面白いなと思いましたけどね、失敗してなお。人生においてこういうことも大切なんだろうなってすごく思いました。』という前向きなコメントを残しています。

自身の体操人生を賭けて挑んだ大舞台で失敗した直後です。動揺や落胆を隠しきれないことは当然理解できます。立ち直るまでしばらく時間がかかるだろうということも容易に想像できる中、直後にインタビューに応えなくてはいけないことそのものにも正直“気の毒”だと感じる中、受け答えしながら既に気持ちの整理をして前を向く作業が始まっていることが感じられ、彼がこれまでトップ選手として4度の五輪出場、個人総合2連覇を含む7つのメダル(金メダル3・銀メダル4)を獲得することができた原動力は、間違いなく“強靭なメンタル”なのだろうと思いました。

これからみなさんは大きな選択を迫られる時が必ず来ます。その時には大いに悩み、選択していかねばなりません。少なからず私は選択してからはそれが失敗という結果にならないように努力をしてきたつもりです。これまでを振り返り、その全ての選択が正しかったかも、何をもって正しいとするのかもわかりませんが、現状に感謝しながらも、より良い状態に向上させるために何ができるのかを考えた上で選択をしてきました。

浪高生のみなさんもそういった『大きな選択を迫られる瞬間』こそターニングポイントと言える『チャンス』が現れたのだと考えてほしいと思います。本当は不可能を可能にはできないかもしれません。でも考え方の方向が違うだけで不可能だと“思い込んで”最初から諦めてしまっていることは、もしかしたら今までも意外と多くあるのかもしれません。浪速で学ぶ皆さんには『大きな選択を迫られる瞬間』、ターニングポイントをチャレンジするチャンスと捉え、どんどん挑戦していってください。これまで以上に訪れたチャンスに対し大切に向き合えるようになってほしいと願っています。