今日は6月の一斉参拝が行われました。そして今日から今年度の教育実習が始まりました。本校では毎年この時期に、教育実習生を受け入れています。今年度は15名という卒業生達が教育実習生として母校に戻ってきました。本当に嬉しい事です。2週間または3週間という日々を充実したものにして欲しいと思います。
私が教師という職業についてもう30年以上が経ちました。この職業の難しさとやり甲斐を日々感じつつ、あっという間に月日がすぎ今に至っています。生徒のために何か出来る事はないか?、また生徒は何を求めているのか?など考えていると、際限なくやることがあるのが教員という職業です。これほど尊い仕事はないと私は思っています。
教育実習開校式 |
毎年この時期、教育実習生達が実習に励んでいる姿を見て教育実習生の頃の自分を思い出します。実習生の時、指導教官の先生から『素晴らしい先生になろうと思うなよ』とよく言われました。『えっ?なんで?』と思ったのを覚えています。そしてその意味を聞いたところ『生徒の記憶に残るようなりっぱな先生をめざすことは良いことだが、その事に囚われすぎるのは良くない。あまりにも生徒の記憶に残ることを求めすぎると、過剰な精神的関与や自分の信念の押し付けに走ってしまう恐れがあるからだ。』と言われました。
そして『その傾向が強くなると「こうでないといけない」といった否定的な部分から指導に入ってしまう。これは目の前の生徒にとって非常に幅の狭い指導方法になってしまうから注意が必要だ』と教えていただきました。そして「先生という仕事には生徒の感情をうまく引き出し、そしてどんなことでも受け止めるだけの度量が必要なんだ』ともよく言われました。生徒の心に火をつけ燃え上がらせるのが先生の仕事と教えられました。
私は3週間の実習期間で先生という仕事は一生学び続けなければならない。そして時代と共に変化し挑戦する勇気を持たねばならないことを学びました。私にとって教師の原点がこの教育実習にあります。厳しい日々でしたが思いあがらず、いつも謙虚な姿勢を忘れず、全ての人を尊重し、学び続ける大切さを学んだ3週間でありました。毎年この時期になるとこの原点を思い返しています。実習生のみなさん、実習期間の全てが学びです。たくさん吸収して実習を終えてください。