今世の中はAIやロボットの加速度的な進化により、時代の過渡期にあるともいわれます。これから大きく変化していく時代を生きていく子どもたちには、どんな力が求められるのでしょうか。千葉大学教育学部附属小学校の松尾英明先生は、「想像、創造、協働の力に加えて、思いやりの心こそが大切」だと言っておられます。仕事の在り方が大きく変わっていくと言われており、近い将来多くの職種でAIやロボットが入り、これまでの「作業」的な仕事はロボットが担う事になるでしょう。
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そのことをふまえて、これからの『社会を生き抜く人間』、『活躍できる人間』とはどのような人間なのか考える事があります。今までは、よく命令を聞いて決められた作業を手順通りにできる人間が「活躍できる人間」でした。上からの指示があれば24時間でもバリバリ働くような人間が求められていたのです。しかし今後はそういう作業的な仕事に関しては、間違いなくロボットが担うようになっていきます。ロボットなら、作業の手順にミスを起こすということはありませんし、それこそ24時間働くことができる。決まった作業をこなすことについては、ロボットが最強なのです。
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しかし、今後はそういった従来型の価値観は不要になってきます。これからの時代を生きていく人間に求められるものとしてまず挙げられるのは、「想像」と「創造」の力です。みんなが幸せになるために、どうしたら面白くなるのか、楽しくなるのか、便利になるのかと想像し、創造する。より効率的に作業をこなすロボットをつくるにしても、それらの力が求められるようになっていくはずです。
これから求められるのは「想像」と「創造」そして「協働」の力が必要だと考えています。「協働」とはさまざまな力を持った人達、個性に満ち溢れた人達が互いに共感し繫がることで大きな力を発揮し、それぞれのスキルが生かされている事が実感でき幸せを感じるような状態だと考えています。スポーツでも同じ特徴の選手ばかりではいいチームにはなりません。それぞれの特徴や個性をもった人が集まり、その集団がお互いの強みや弱点を認識し、互いにサポートし合える集団が大きな事を成し遂げる力を持っていると考えています。要はチームとしての総合力なのです。
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本校の生徒達はその「協働力」を生む「思いやりの気持ち」を持った生徒達ばかりです。「困っている人」がいればすぐに手を差し伸べる。そういった思いやりの心があれば、異なる個性を持った人間の集団のなかでも困っている誰かに対して「助けてあげよう」と思うはずです。それが自分の得意なことでできるのなら、なおさらでしょう。
本校の生徒達にはいつも「生き抜く力」を身に付ける為に「今を一生懸命に生きる」という事を言い続けています。それは目の前の事に全力で立ち向かう事で知らぬ間に多くの「生き抜く力」が付いていると思うからです。この力は目に見える点数には現れません。浪高生達が持っている長所、「思いやりの気持ち」を活かし、これからどんな社会となっても多くの人々を幸せにできるような人材になれるよう、この浪速で一つでも多くの事を学んでくだい。そして皆さんがそうした素晴らしい人材になれるよう成長するのをサポートするのが私達に課せられた使命だと考えています。