2021年5月21日金曜日

文武両立は可能か?

 浪速は文武両立を目指す学校です。「二兎を追う者は一兎をも得ず」という言葉がありますが本校の生徒は「二兎を追い、二兎を得る。」いや三兎を得るぐらいの勢いで生徒達は頑張ってくれています。

部活動の意義を問われると、一つ目は中高生が同じ興味関心を持ち良き仲間をつくる場であること。居場所ができ、安心できる場所であるということ。二つ目は、人として成長させる人間形成機能を持っていることです。少し前に『やり抜く力GRIT』という本が話題になりましたが、著者は人生の成功者のケーススタディを通じて「人を変えるのはIQではなく、やり抜く力」であり、それは授業ではなく、課外活動で培われるということを述べています。

しかし陥ってはいけないのは、勝利至上主義になりすぎることです。部活動が人間形成機能と競技力向上機能を持っていて、やればやるほど成果が出るので、特に気をつけなければなりません。教員主導の指導方法は、生徒に命令してやらせる雰囲気があります。アクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)は教科の指導だけでなく、部活動についてもいえることで、生徒に自分で考えさせることが大事です。

                             

では部活動と勉強の両立は成り立つのか。これは簡単に答えをだすことはできません。しかし少なくとも本校では、文武両立を成り立たせるために最大限努力をしているといえます。生徒たちは、一人一人がタイムマネジメントを意識し、優先順位を付ける力を身につけられるように努力をしています。その瞬間、瞬間で時間を管理し、だらだらと長時間の練習はしない。中身の濃い練習を確立し短時間で一気にハードワークを行う。また公式戦や3年の最後の大会前であれば部活動に集中する、部活動を引退したら受験勉強に集中する。普段は少ない勉強時間を効率的に使い、試験前は徹底して勉強に専念する。そうした切り替えと集中力が必要です。タイムマネジメントをいかに意識するか、意識させるかが大事なことです。要は時間管理に「けじめ」を付けさせることを重要視しています。

本校の文武両立を目指す目的は、大会優勝という「成果」より全人間としての「成長」です。浪速で学ぶ生徒達には、3年間で自らが成長したという実感をもって卒業してほしいと強く願っています。「二兎を追う者は一兎をも得ず」ではなく「二兎を追い、二兎、いや三兎を得る」くらいの気持ちで頑張っている生徒達を、私たち教師は全力でサポートし3年間で大きく成長させなければなりません。卒業の際、生徒が自分で高校生活を振り返り自分の成長を感じることが出来、文武両立ができたという達成感と充実感を感じる事ができたのなら、その生徒は文武両立を可能だと言えるでしょう。そのような高校生活となるよう生徒達を導くために、私たち教師の存在があると思っています。