昔から学力と読書量の関係性は深く、幼児期から本に親しませることで、親子間のコミュニケーションを円滑にできると言われています。「読書」と一口に言っても、書店に行けば、「本」と呼ばれるものには多くのジャンルがあります。フィクションの物語や、実話をもとに執筆された小説、生活で役立つ知識や情報が載っている実用書、国や地域の歴史が研究された歴史書、仕事に役立つノウハウなどが紹介されているビジネス書など、用途も特徴も様々です。本は、大人も子どもも関係なく、季節や時間帯の制限もなく、いつでも楽しみをもたらしてくれます。そして、時には仕事や生活に役立つ情報をもたらしてくれるものでもあります。
インターネットが普及している現代では、誰もが簡単に欲しい情報やデータを得ることができるので、わざわざ紙の本を手にする人が減っていると耳にした人も多いと思います。情報社会の進展は、社会に便利さをもたらすというメリットがありますが、一方でその手軽さこそが、人々が自分で物事を考える機会を減少させているというデメリットもあります。インターネットで簡単に情報が得られる今だからこそ、読書はますますその重要性を増しています。考えたり、感じたり、想像したり、私たちは毎日、あらゆる言語活動をしながら生活していますが、読書にはそれら全ての能力を上げる効果があるのです。
本日放課後に毎年実施している読書マラソンに参加した生徒が提出した作品の中から審査をし選ばれた生徒に対して賞状と商品を学校からお渡ししました。読書マラソンとは本の面白さを伝え合う運動の事で毎年2学期から3学期までの期間で実施されています。
読書することで「語彙力が上がる」・「文章力が向上する」・「コミュニケーション力が向上する」・「想像力がつく」・「新しい価値観を得られる」・「思考力が向上する」・「記憶力が向上する」・「アイデアが得られる」・「生き方が学べる」・「ストレス解消になる」・「視野が広がる」などのたくさんの良い効果が表れてきます。
「読書をきっかけに視野が広がり、やりたいことが見つかった」などの話は、決して珍しいものではありません。様々な本を読むことで、新たな気づきが得られ、その積み重ねで人生の方向性が定まるということもあるでしょう。本は、私たちの感性を刺激し、今まで知らなかった物事にも興味を持たせてくれます。興味を持つものが増えれば、それについて学ぼうとする意欲が生まれ、学ぶことで新しい知識をどんどん増やしていくことが可能になります。
これからの人生を豊かに歩んでいくために読書は必要不可欠な活動ではないでしょうか。大学共通テストにおいても思考力・判断力を問う問題が多数出題され、正しい答えを導く為には長文の設問を短時間で読み解く、「読解力」が大きな力となる事が明確となっています。日頃から本を読む習慣が付けば、意識しなくても文章を速く正確に読み解くことが出来るようになります。この読書マラソンを機に一人でも多くの生徒達が本に触れる機会を増やしてくれる事、そして本校の素晴らしい図書館を沢山の生徒が利用し学習活動に励んでいる姿を今以上に見れることを願っています。