2021年1月12日火曜日

ピグマリオン効果

 教育とは「意志」を持つための「環境」と「きっかけ」を提供することであると考えられています。英語で教育は「education(エデュケーション)」ですが、語源はラテン語の「引き出す」という言葉に由来し、子どもが持っている力を引き出し、その可能性を伸ばすことに主軸が置かれています。

ピグマリオン効果という教育心理学の用語をご存知でしょうか?教育の現場ではよく使われ、教師期待効果とも訳されるもので、簡単に言えば「期待されていることを意識している子どもたちは、学習やスポーツで成績が向上する。」というものです。アメリカの教育心理学者、ロバート・ローゼンタールが1964年に提唱した理論で、名前の由来は、ギリシャ神話を収録した古代ローマの「オウィディウス(変身物語)」の逸話からと言われます。

このピグマリオン効果は、学校の先生や家族、職場の上司に期待される時だけに発現するものではなく、受験や部活動でも見られる「為せば成る」、「必勝」、「絶対合格」などの貼り紙で「内なる自分への期待」を表明することで意欲が高まり、努力を継続して夢の実現に近づくといった事例も、ピグマリオン効果の一つとされています。その生徒のモチベーションが高まると、部屋の整頓や学習の要点整理、先生や監督の指導・注意を真剣に聞く真摯な態度が見られるようになり、出来るまで繰り返し努力する主体性が自然に表れるようになります。

一流と言われる学者や選手には、苦しい試練から逃げるのではなく、あたかもそれを楽しんでいるかのような雰囲気が感じられます。それは、困難に耐え抜いた後の大きな喜びを熟知しているからに他ならず、ノーベル賞の青色LED開発者、天野浩名古屋大学博士の1500回の実験失敗は有名な話です。

今の自分を変えたい、もっと上を目指して頑張りたいと思っている人も少なくないと思います。いつも先生の指示を待ち、失敗を恐れて行動出来ず、自信がなくて不安だ、という意識ではマイナスのスパイラルから脱出できません。自分に、自分でやろうという「意志」がなければ、成長していくことは難しいと思います。でも、それを持つことができれば、自分で考え工夫することで、大きく成長できるのです。今の環境や日常生活の中でのきっかけから、自分が何かに気づき学べば、前向きな意志が生まれてきます。自らの「意志」でやろう、やりたいと思う気持ちに勝るものはありません。その気持ちを持つことができれば、自然と動きは変わってきます。 人はそれぞれ違いがあって当然であり、やる気のポイントも違います。自分自身の「やる気ポイント」を見つけ刺激していってください。

~「挑戦しなければ変われない」~

平凡な教師は言って聞かせる。 よい教師は説明する。 優秀な教師はやってみせる。 

最高の教師は子どもの心に火をつける。  ~ウィリアム・ウォード~