スポーツの世界はもちろん最近は社会的にも勝ち組とか負け組とかそのような「勝ち・負け」という言葉をよく聞くことがあります。「勝つ」ということは自分にとって良い事であることの方が多いと思いますが、負ける事も実は後の自分にとってはいい方向に行く為に必要な事もあると私は思っています。
ラグビーの日本代表のエンブレム(胸についているマーク)は「桜」を使っています。それは「勝っても負けても美しくなくてはならない」ところから代表のエンブレムとなったと聞いています。サクラは満開の時も美しいですが、散っていく時も美しく、きれいに散っていきます。ラグビーの日本代表は「どんな勝ち方、どんな負け方」をしたのかが問われるという事です。
実際私も長年スポーツに関わってきました。勝負の世界では負けを受け入れざるを得ない瞬間が必ずあります。そんな時『 終わった ・・・ 』と感じてしまうことも幾度もありました。でもそこで辞めてしまえば負けた事で「全て」が終わってしまうのです。しかし、また同じ勝負に再度挑むこともあれば、違うことで挑み、勝負していくように気持ちを切り替えることもあります。要は次に挑戦しない( 自分の可能性を広げる努力を辞めてしまう)ことが「全てが終わり」を意味するのだと思います。
「終わり」という言葉を用いることで何か絶望感を感じますが、せっかく人間に生まれてきて様々なことに挑戦できるはずなのになぜそこで挑戦を辞めるのか。「全てが終わり」となると、「えー!ここまで頑張ってきてそこで挑戦することを諦めるの?」と本当にもったいないという気持ちになります。
今までみなさんは様々なことに挑戦してきた中で、残念な結果に終わったこともあると思います。その時に抱いた絶望感は二度と味わいたくないほど辛いものだったでしょう。そして新たに挑戦すべきことに立ち向かう必要があることは理解していても、『 あーもう嫌だ ・・・ 』と挑戦をためらう気持ちも理解はできます。
何度も何度も挑戦したけど・・。いったい何回挑戦すればいいのだろう?そんな気持ちになったこともあると思います。例えば5回挑戦して、5回目で成功することがあったとしても、最初からそれに気づくことはありません。そのために4回目で挑戦を諦めてしまうことが過去にあったかもしれません。あと一回挑戦していれば・・・。あーもったいない・・・。
伝えたいことは、たとえ何回も挑戦して負けた・失敗だったという結果であったとしても、「どんな負け」と「どんな失敗」をしたかが重要な事であり毎回その貴重な経験をデータとして残していく。その積み重ねが「勝ち」・「成功」への道につながっていると私は確信しています。多くのデータを得るために「挑戦」は欠かせないのです。
【 If a man loses, it is not over. If you quit, it is over.】
人間は負けたら終わりなのではない。辞めたら終わりなのだ。