こんな話を聞いた事があります。南アフリカのヨハネスブルグからイギリスのロンドンに向かう飛行機の中で白人女性と黒人男性がエコノミー席で隣同士の席に座る事になりました。そこで白人女性は信じられないと立ち上がりCA(キャビンアテンダント)を呼んでこう言ったそうです。「これはいったい何なの!」CAは「どうゆうことでしょう?」と尋ねたところ白人女性は「見ればわかるでしょ。私を黒人の隣の席に座らせるなんて到底承服できません。すぐに他の席に変えてちょうだい」と言ったそうです。
そこでCAは「只今他の席があるかどうか確かめて参りますので」と一旦伝えしばらくして戻ってきたときこう伝えました。「お客様あいにくエコノミー席に空席はございません。ビジネスクラスにも空きはありませんでした。機長に確認したところファーストクラスには1席だけ空きはございました」と。女性は一瞬安心したような顔をしていましたがCAはそれに構わず話を続け「私どもの会社ではエコノミークラスのお客様にファーストクラスへお移り願う事は滅多にいたしません。けれども状況を考えますとこんな方の隣にお座りになる事は言語道断です。と機長が申しております。」CAは話を続け黒人の男性に向けて「お客様、というわけですのでもしよろしければファーストクラスのお席を用意いたしますのでどうかお移りください」と伝えたそうです。
このやり取りに心を痛めていた周りの乗客からは大きな拍手が沸き起こり黒人の男性は落ち着いた声で「お気遣いありがとう。しかし私はこの席で結構です。横に誰が座っていた所で私の誇り高いものが汚されてしまうとでもいうのかね?」と言ったそうです。
私はこの男性の誇りの持ち方に痺れたのを覚えています。自分自身がしっかりと自分を信じているかどうか。毎日生活をしていればいろんな事があります。現代社会では言われる筋合いのない事や誹謗中傷など平気で人を傷つけるような事が世の中には起きています。私たちはその様な社会の中で生き抜いていかねばなりません。その為にはまずは誠実に生きて行く事。そして自分自身を信じ切る事が大切な事だと思っています。
自分を信じ切る事で他を信じることが出来、自分に「自信」がついてくる。自信がどんどん身についてくることで「誇り」を持てるようになると思っています。浪速で学ぶ生徒達にはそういった「志」をもって学校生活を過ごしてくれたらと願っています。この週末に多聞合宿に参加した生徒にはこれからの大学受験に立ち向かいためにも「覚悟」と「諦めない」気持ちをもって頑張ってほしいと伝えました。そして卒業後の人生においても誇り高いものであるためにもこの力「自分を信じる力」を養ってほしいと思います。