2023年5月10日水曜日

「言霊」

 「別にいいよ、恥かいたって。一晩もすれば、忘れちゃうよ。」

この言葉は日本の漫画作品でもあり今も放映されている『ちびまる子ちゃん』の中で主人公の「さくらももこ」の一言です。ちびまる子ちゃんは、言わずと知れた国民的アニメ作品です。今回の言葉は主人公の『まるちゃん』の楽天的なイメージそのもので、“まるちゃんらしい”言葉です。

私自身、失敗を恐れて挑戦を躊躇している時に、何度か同じような言葉を友人にかけられたことがあります。幼い頃は『そんなに簡単じゃない』と思っていました。実際にやってみて失敗してしばらく落ち込んだこともあります。特に今回の言葉のような楽観的な言い回しで声をかけられたら『人の気も知らないで…』と、余計に挑戦することや自分と向き合うことから逃げたくなることもありました。

これまでの自分自身を振り返ってみると、こういったアドバイスに感謝はするものの、やはり躊躇してしまう場面はありました。しかし、そのまま挑戦せずに終わったことはありませんでした。なぜなのか?その理由については深く考えたことはありませんでした。周りからの励ましがあろうがなかろうが、その全てをシャットアウトして挑戦しないという選択もできたはずです。

では、今なぜ挑戦することができたのかと考えると、その言葉がポジティブな意味だったからであり、純粋にパワーを貰ったと感じたからだと思います。言葉は時々『言霊〜ことだま〜』と表されることがあります。神社神道の学校で学んでいるみなさんは知っていると思いますが、言霊とは、古代、言葉が持っていると信じられた神秘的な霊力のことです。 言葉には「言霊」があり、発した言葉通りの結果が表れると考えられていました。例えば試験当日に“滑る”という言葉を使わないのも、縁起の悪い言葉を使うことで悪い結果になってしまうと考える言霊思想があるからです。

その点から考えてみると、私たちが日常の生活の中で大切にしていかねばならないのは、家族や仲間に対してできる限りポジティブな言葉をかけることだと思います。また、自分自身もできる限りポジティブな言葉を浴びながら過ごすべきだと思います。時々人は『自分に言い聞かせる』という言葉を使うことがあります。私は、実際に行動に移すときにだけ自分に言い聞かせても、行動に移せるようになるとは思いません。

日々のポジティブな言葉の積み重ねがあるからこそ、行動に移すことができ、未来を切り開いていくことが出来るのだと思います。

では、人は誰からの言葉を一番多く聞くと思いますか?答えは明白。思い浮かべただけでも自分に伝わってくる自分自身の言葉です。ネガティブな言葉を聞かない日はありません。それでも皆さんには、ポジティブな言葉を多く発していくことで気持ちを上向きにして、毎日の学校生活を楽しく充実感をもって過ごして欲しいと思います。