昨日から高校入試が始まり本日は採点業務など2日目となり浪高生の皆さんは日曜日までの4日間は家庭学習日となっています。学年末試験前という事もありしっかりと学習活動に努めてくれていると思います。
そんな浪高生達にメッセージを送りたいと思います。テーマは【時には退屈な時間も持とう】です。これからはテクノロジー化が急速に進みIT化にともなって、「処理的な事務仕事は、2020年代を通じて半分に、その後の10年でほぼなくなっていくのでは」と、専門家の方は述べています。すでに、さまざまな店舗で自動精算機が普及し、企業では事務作業のIT化もどんどん進んでいます。「今の子どもたちが大人になったとき、その65%は、今はない職業につく可能性が高い」という研究データもあるように、テクノロジー化は子どもたちの職業にも大きく影響を与えるのです。
次にさらなるグローバル化が進みます。「多様性」という言葉を聞かない日はないほど、その必要性が各方面で指摘されています。人口減少や高齢化が進む日本。労働者不足の懸念や、世界との競合力強化の側面からもグローバル化の波は避けられないでしょう。これからは国境を越えて人がつながっていく事象がさらに進んで、これからはさまざまなパーソナリティーをもつ人たちと仕事をしていく時代なのです。「テクノロジー化」「グローバル化」、どちらも未来の仕事に直結する大きなテーマです。このような社会が到来する将来、「絶対に必要になる4つの力」と言われている力を下記に書いてみました。
未来に必要な4つの力。
「考える力」・・・先の見えない時代に必要とされるのは、「記憶力」ではなく「考える力」です。「 “記憶力がよい = 頭がよい” わけではない!」と専門家は言っています。本来、人間の頭には「考える仕組み」が備わっているのに、現代社会では記憶力のほうが評価されてきたため、応用力のない人が増えたと言います。これからは自ら情報を集め、考え、判断し、そして行動をしなければいけません。そんな答えのない未来に備えるために、考える力の重要性はこれからますます増してくると言えるでしょう。
「協働力」・・・今後はグローバル化が一層進み、多様な人々と生きていくことになるでしょう。そのような世界で必要となるのは「協働力」です。「協働力」は単なるコミュニケーション力ではなく「自分の特質を生かしながら、さまざまな個性や能力をもつ人と一緒に、同じ目標に向かって力を合わせることができるスキル」のことをいいます。「苦手なことで困っていれば、それが得意な誰かに助けてもらえばいい。逆に、自分が得意なことで困っている人がいれば、自分が助けてあげればいい」とし、異なるスキルをもった人間同士が力を合わせることこそが大切です。
「やり抜く力(GRIT)」・・・つまずいても立ち上がることができる「折れない心」と、何度でもトライし続ける「粘り強さ」つまり、「やり抜く力(GRIT)」が重要です。人生に挫折はつきものですから、そのつど落ち込んでいては先には進めません。「やり抜く力にIQや才能は関係ない、この能力は先天的なものではなく、後天的に誰でも得ることができる」ということが明らかにされています。「好きなこと」をとことん楽しむ。「好きなこと」「夢中になれること」があれば、やり抜く力は育っています。好きなことなら一生懸命になりますし、そのことについて勉強したり工夫したりするでしょう。注意したいのは、「上達させてやろう」と思わないこと。「その道を極めた達人でさえ、最初は気楽な初心者だった。必死に努力する以前に、まずは楽しむことが大事」とのこと。気楽に今日から「やり抜く力」を鍛えてほしいと思います。
「創造力」・・・「AIは『0から1』を考えることはできない。人間に求められるのは『0から1』を創造する力だ」と専門家は言います。ではなぜ「創造力」が注目されるか。「すでに確立された手法を知っていたり多くの知識をもっていたりすることの価値が、今後はどんどん下がっていくから」だそうです。知識や情報をインプットするだけでは創造力は育ちません。それをいかにアウトプットしていくかが重要な事で、その経験の積み重ねで創造力は育っていくと言われています。
このような未来に必要な4つの力を育てる為には「退屈な時間」が必要だと言われています。時には退屈な時間を設ける事で、何かを感じ、創造していく力を蓄えていけるのではないでしょうか?「退屈」のなかで興味のあることを探し、自分がやりたい事を考え、仲間と一緒に、創造しながら、やり抜くことで、「生き抜く力」を育んで行けるのではないかと思っています。浪高生の皆さん、是非この家庭学習日期間の間に「退屈な時間」を作ってみて色んなことを感じ、創造してみてください。