昨日はこの春に選抜大会に出場するクラブ活動に対して激励金の授与式を行いました。本校では多くの部活動が日々目標の達成の為に仲間達と協力し切磋琢磨しながら頑張ってくれています。高校生の競技スポーツでは勝ち負けは重要な要素の一つです。勝負に拘らず、単に楽しみとしてやる「遊技スポーツ」と「競技スポーツ」は一線を画しています。しかしその双方の本質は同じだと考えています。「遊戯スポーツ」の目標は楽しむ。そして「競技スポーツ」の目標は勝敗。その目標の違いはあるものの「スポーツをする」目的は同じなのです。
特に高校生が行う勝ち負けに拘る競技スポーツにおいて、勝敗は「目標」の1つだが「目的」はそこではないと思っています。その本質は「目的」に向かう為の手段として「目標」があるということ。この事は決して忘れてはいけない事だと思っています。目の前の勝ち負けだけの為に特別なことをやっても、目先のごまかしや巧みな戦術は選手達の未来にマイナスです。よく、部活動を指導していく中で顧問の先生は「日頃の生活態度が試合に出る」と言われる事があります。私も全くその通りだと考えています。ではなぜそのような日頃の生活態度が勝負をする際に影響が出てくるのかを考えてみてください。
目標に向って努力を積み重ねる人は必ず努力をしています。どんな努力をするのか。それは独別な練習や対戦相手の分析ではありません。まずは日常生活の中の態度を更に充実させることです。誰よりも練習するのは大前提として、体調管理、挨拶、日々の授業、友人関係、など時に怠けがちな、いやな事でもやるべきことをしっかりと最後までやりきりる。その姿勢が練習の中や試合中での主体性やこだわりに繋がり勝利へと近づけてくれるのです。大切なこともやりもしないで、策したり、妬んだり、無いものをねだったりすることは、薄っぺらいその場しのぎのやり方ですね。全く意味はありません。
スポーツは人間が行うものです。その時々の行動や言動は自分自身の心を表しているのです。スポーツは見栄のための道具ではありません。優勝などの栄冠は長い人生では瞬間の物です。スポーツをする皆さんにはその目的を見失わず、これからの長い人生を素敵に、そして豊かな歩みを続ける為にいろんな試行錯誤をしながら魅力ある人間に少しでも近づいていって欲しいと思います。それが大きな目的です。そのために努力と訓練をしていってください。
ひたむきに頑張ってもすぐには叶わないことが世の中にはあります。「上には上がいる」事の認知と、敗北を受け入れる器もち、対戦相手に対する敬意も忘れてはいけません。日々の日常生活をより充実させ目標に向って努力することで、これからの長い人生をしなやかに生き抜く力を身に付ける事を目的としてこれからもスポーツに取り組んでください。勝利など一瞬です。これからみなさんの未来は長く続くのです。