2025年11月27日木曜日

楽しむ才能 ~定期考査を前に~

 勉強や部活動に取り組む原動力は何でしょうか? 「期日までにやらないと怒られる」「負けたら怒られる」といったプレッシャーでしょうか? それとも、「期日より早く終わらせて皆を驚かせよう!」「すごいプレーで観客を魅了しよう!」といった、自発的な高揚感でしょうか?

先生や監督がプレッシャーをかけるのは、「その方が成果を残せる」または、過去に成功体験があるからかもしれません。プレッシャーは時には大きなエネルギーとなることもありますが、その前に必要なのは、具体的な方法と道筋を示すことです。 ただ単に「頑張れ、頑張れ」と精神論を繰り返すのは、多くの場合、具体的な作戦がないからです。「こうすればいい」という明確な戦略があれば、尻を叩かずとも行動は自然とついてきます。そこを根性論で補おうとするのは、単なるプレッシャーに過ぎず、かえって人の意欲を削ぎ、委縮させる原因になります。

本当に大切なのは、プレッシャーではなく、本人が「やりたい」と思って取り組めるように仕向けることです。その方が効率的であるのはもちろん、本当にやりたいことであれば、人は自ら進んで行動するため、良い結果につながります。

 これからの人生も同じです。本来、人生はとても楽しいもの。辛いことや怒られるものではありません。辛く、怒られてばかりだから、逃げ出したくなるのです。勉強やスポーツが嫌いになるのは、成績が悪かったり負けたりすると自分でダメだと考えたり、他から怒られるから。もし、結果が思わしくなかったとしても、誰も怒らなかったらどうでしょうか?自分がやりたい勉強や部活動に熱中し、その目的や目標に少しでも近づいているという実感を持てれば、きっとそれは楽しいものになります。様々な作戦や戦略を立て、実行することで、わずかでも成果があらわれる。良い結果であれ、悪い結果であれ、それはそれで次に活かせばいいだけです。

たとえその時に悪い結果が出たとしても、目標や目的がなくなるわけではありません。その活動そのものが嫌いになることもないはずです。自分でやったという達成感、その積み重ねが、楽しい思い出として心に残るからです。この経験が楽しかったからこそ、「また挑戦しよう」という気持ちになれます。この「楽しさ」こそが、最終的に目標の達成や勝利へとつながるのだと考えます。楽しいから、達成するまで、勝つまで何度でも挑戦できる。だからこそ成長していくのです。

 最初から「楽しむ」ことを前提で始めると、楽しい理由が次から次へと見つかります。なぜなら、自分の意識のアンテナを「楽しい」ことに向けるからです。テレビのチャンネルを切り替えるように、意識のチャンネルを「楽しむ」に変えてしまえば、映し出される映像は「楽しい」ものばかりになります。つまり、楽しみを見出す才能を磨くのです。

今定期考査を前に準備に励んでいる生徒の皆さんには是非とも意識のチャンネルを変えて今を大いに楽しんでほしいと思います。楽しんで夢中になっている人は、周囲の人も、そして学院神社の大神様も、きっと応援してくれるはずです。浪高生の皆さんには、是非とも「楽しむ才能」を磨き、最高の人生を歩んでくれることを願っています。

2025年11月20日木曜日

2025年のラストスパート

 今日は11月の朝礼を実施しました。今年も残り1カ月半となり2学期も終盤となってきました。修学旅行もイタリアB班は来年3月に実施、国際コースは22日に帰国となっていますがそれ以外の2年生は全員無事に帰阪してくれました。期間中は素晴らしい体験をして多くの事を学び大切な時間を仲間と過ごしたことは高校生活においてこれからも忘れる事はないと思います。

令和7年度新人大会 体操競技部
団体総合優勝・個人総合優勝
 いよいよ3年生にとっては最後の直線100メートルに入ったと言っていいでしょう。最後の最後まで今やるべきことをしっかりと行動に移すことが最も大切なことだと考えています。1年生・2年生にも同じことがいえると思いますが特に3年生にとっては卒業、そして新たな道への大きなけじめと時期でもあります。より一層強い意志とチャレンジ精神でこの時期を乗り越えてほしいと思います。

第49回大阪府高校空手道新人大会
男子組手団体 優勝 個人組手優勝
新しい事や知らない事に挑戦する事は失敗がつきものです。しかし不安や心配よりも挑む勇気を持ち続けていれば必ず夢の実現に向けた一歩を踏み出すことが出来るのです。「目標や夢は逃げない、逃げるのは自分だ」ということです。神道の言葉で「今を一生懸命に生きる」「中今」の精神というものがあります。今この一瞬を精一杯に生きて行く事。この小さな行動の積み重ねが目標や目的の達成への道であり将来の夢の実現へと繋がっていくのです。同じく「切に生きる」という言葉があります。

第49回大阪府高校空手道新人大会
男子団体形 優勝 男子個人型 優勝
「はかない人生を送ってはならぬ。切に生きよ」という鎌倉時代の禅僧の道元という方の言葉があります。神道の言葉にある「今を一生懸命に生きる」「中今」の精神と同じ意味を持ち「ひたすらに謙虚に一瞬一瞬を大切に生きよ」という意味です。思った通りにはいかない事はありますがやったと通りにはなります。余計なことなど考えず今この瞬間を大切に生きて行動に移すことです。今日という1日は自分の人生の小さな一生であることを忘れないでください。
第49回大阪府高校空手道新人大会
女子団体組手 優勝
 そういった姿勢と行動が自分自身の成長を促してくれるのです。嫌な事や苦手な事、自信がないことからは逃げてしまいたいという気持ちはだれもがあります。でもそこで逃げてしまう人と立ち向かっていく人ではこれからの人生大きく変わっていくのは間違いありません。
新自治会役員の生徒たち
2年生と1年生も同様です。近い将来迎える受験という一つのけじめをどのように迎え、その門をどのように通過するのか。自分が選んだ道を信じてその道を歩んで行く事で先が見えてきます。だからどんどん進んでほしい。前に進めば時には転ぶことも有る。迷い込んで違う道へ行くこともあるでしょう。迷うことは決して悪くはない。それは目標に向けて自分にはいろんな選択肢があるという迷いです。その迷い(選択肢は)は今までの自分の努力で得た選択肢です。選択肢がない状況を悩みと思っています。迷いと悩みは違うのです。
プロジェクトK 実施 
韓国への研修に向けて
これからは多くの選択肢からどれを選ぶのかを迷うことができるような人生を過ごしてください。その為には自分に力をつけることです。そうすればたくさんの選択肢を得ることができます。あとは選んだ選択肢が正しかったと思えるように努力することです。そのためにも「中今の精神」「切に生きよ」です。すべてを受け入れ誠実に一生懸命に生きる事。これさえあれば必ず前に進むためのスキルを得ることができるのです。 
ビブリオバトル 2025
校内予選会
2025年も残り少しです。今日のキーワードは「中今の精神」「切に生きよ」この言葉をみなさんに伝えます。そして今年も残り1カ月となりましたが今年は多くの新しい挑戦をできた年になったと言えるように日々の生活を過ごしてほしいと思います。

2025年11月18日火曜日

R7年度修学旅行 フランス班5日目 ~思い出を胸に帰国~

 いよいよ今日は帰国の途に就きます。朝から生徒たちは朝食を済ませ荷物をパッキングして空港へと出発しました。その様子はやはりもう少しパリを満喫したいという雰囲気でしたが旅には必ず終わりがあります。今回の旅でも新たな発見と経験を得ることができたと思います。若い君たちにはこれからも多くのチャンスがあります。どんどんと旅に出かけて行ってほしいと思います。また新しい旅の始まりです。楽しみがいっぱいです。

シャルルドゴール空港に到着して出国検査時にシステムのダウンで手続きに時間がかかりましたが全員無事に出国検査を終えて1140発の飛行機でフランスパリを後にしました。香港国際空港を経由して関西空港には日本時間の171245に無事に到着しました。

あっという間の36日でしたが本当に中身の濃い時間を過ごすことができたと思います。ヨーロッパの文化の華麗さと奥深さを感じることができたのは生徒たちにとっていい刺激になったと思います。
誰もが経験することができない経験をフランス班の生徒だけではなく今回の修学旅行に参加した2年生の生徒は今後の学校生活に生かしていかねばなりません。その為にはこの期間で気づいたことを少しでも行動に移して何かを実行してほしいと思います。自分の将来が輝くものにするためにも2年生の行動変容を大いに期待したいと思います。期待しています。

2025年11月16日日曜日

R7年度修学旅行 フランス班4日目 ~サクレクール寺院とノートルダム大聖堂~

 今日は朝からモンマルトルの丘にあるサクレクール寺院へ見学をしてきました。モンマルトルの丘は、元々はパリ郊外の村でした。1860年にパリに編入された後、急速な都市化が進み、多くの芸術家たちが集まるようになりました。19世紀後半から20世紀初頭にかけて、モンマルトルは「芸術家たちの村」として栄えました。ピカソ・モネ・ドガ・ロートレックなど、多くの有名な画家たちがモンマルトルで活躍し、今もなお彼らの作品が残されています。

モンマルトルは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、印象派・ポスト印象派・キュビスムなど、さまざまな芸術運動の中心地として栄えました。現在でも、モンマルトルには多くの画家や芸術家が住んでおり、街には芸術的な雰囲気が漂っています。

モンマルトルはパリで最も高い丘であり、その頂上からはパリの街並みを一望することができます。丘の頂上には、サクレ・クール寺院という白亜の美しい寺院が建っています。寺院の内部には、聖母マリアの心臓の一部が納められており、多くの巡礼者が訪れます。普仏戦争とパリ・コミューンで犠牲となった市民を慰霊するため、1875年から建設が計画され、40年の年月を経て完成した寺院です。パリでは珍しいビザンチン様式を踏襲した3つのドームが特徴で、「サクレ(聖なる)・クール(心)」という意味をもつそうです。寺院の内部から見渡すパリの景色は、まさに絶景です。エッフェル塔や凱旋門などのパリのランドマークをはじめ、街並みやセーヌ川まで、360度のパノラマを楽しむことができます。

午後からはあいにくの雨模様となりましたがパリの象徴であり、世界遺産にも登録されているノートルダム大聖堂へ行ってきました。2019年に火災が発生しましたが、修復作業に2,000人以上の職人が携わり202412月に再公開されました。

ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Paris)は、パリのシテ島に位置するフランス・ゴシック建築の代表的な教会です。1991年に「パリのセーヌ河岸」としてユネスコ世界遺産に登録されました。登録の背景には、その歴史的・建築的価値が大きく関係しています。

1163年に建設が始まり、約180年をかけて完成したこの大聖堂は、ゴシック建築の傑作として高く評価されています。ナポレオンの戴冠式(1804年)やヴィクトル・ユーゴーの小説『ノートルダム・ド・パリ』など、フランスの歴史・文化と深く結びついている点も世界遺産登録の理由となりました。

見学後はノートルダム大聖堂のあるシテ島を自由見学。パリの中心を流れるセーヌ川の流れに寄り添うように浮かぶ2つの島、シテ島とサン・ルイ島は、まさにパリの原点とも言える場所です。今回見学したシテ島は「パリ発祥の地」として知られ、歴史と文化が息づくエリア。一方のサン・ルイ島は、落ち着いた雰囲気の中に美しい街並みが広がり、ゆったりとした時間を楽しめる場所だそうです。生徒たちは自由に散策し落ち着いた場所でヨーロッパの文化と歴史を感じ取ってくれていたように思います。

その後今日はフランス滞在最後の夜となるのでお土産を購入するために世界最初の百貨店「ポンマルシェ百貨店」へ行きました。いろいろとあり生徒たちも喜んでくれていました。仏語では"ボン マルシェ"とは安いと言う意味であり、高級品を扱う百貨店ではなく大衆相手の百貨店であったそうです。【ちなみに日本で一番古い百貨店は三越です。】

2025年11月15日土曜日

R7年度修学旅行 フランス班3日目 ~凱旋門とルーブル美術館~

 今日は午前中には凱旋門とシャンゼリゼ通りを見学してきました。

凱旋門は、ナポレオン・ボナパルトの命によって建設された記念碑で、フランス革命戦争やナポレオン戦争での戦勝を称えるために作られました。凱旋門の外観は、古代ローマの凱旋門からインスパイアを受けたネオクラシック様式で、豪華な装飾が施されています。特に上部や外壁にある大きな彫刻は、印象的です。

 歴史的な戦争や戦闘のシーンが描かれていて、ナポレオンの軍事的勝利を称えるデザインが目を引きます。凱旋門には多くの彫刻があり、歴史的な戦いを描いたものや、ナポレオンの勝利を象徴する場面が表現されています。

パリで必ず訪れたい場所「シャンゼリゼ通り」。この有名な通りは、街路樹の間を歩くだけでも、映画のワンシーンのような気分を味わえます。通りには、人気のブランドショップやカフェ、歴史的な建物や美術館が数多くあります。また、季節ごとに行われるイベントや夜のライトアップも必見です。「シャンゼリゼ通り」という名前は、ギリシャ神話に登場する「エリュシオンの野」に由来しています。これは、英雄や神々の魂が安らぎを得る場所として描かれている楽園の地を指します。

午後からはルーブル美術館への見学です。1793年開業、所蔵美術品38万点が広大な館内に展示され年間の入場者数は1千万人をこえるという、まさに世界一の美術館。西ヨーロッパの中心的都市パリのセーヌ川右岸にあるこの建物は12世紀にフィリップ2世が建設した城塞でした。

もともとは街のはずれにあった「ルーブル」ですが街が拡大し、いつしか街の中心になってしまったのです。その間建物の増改築が進み、また1989年にはガラスのピラミッドがメインエントランスとなりひときわ目を引く施設となりました。所蔵美術品は古代から19世紀初頭までの絵画、彫刻、工芸品や古代オリエント、古代エジプト、古代ギリシャなど歴史的文明に関する美術品など幅広い分野の作品が展示されています。

絵画では最も有名なレオナルド・ダ・ヴィンチの作品「モナ・リザ」を筆頭にドラクロワ、ダヴィッド、フェルメール、ラファエロ、コローなどの傑作を堪能することが出来ます。「ルーブル」では作品は国、地域別に展示されており、17世紀フランドル絵画、16世紀オランダ絵画、1516世紀ドイツ絵画、17世紀フランス絵画といった具合です。特にフランス絵画は質、量ともに充実しています。

パリでの観光も2日目を終えました。今日もたくさんの発見と学びを得たと思います。お疲れさまでした

2025年11月14日金曜日

R7年度修学旅行 フランス班2日目 ~パリ市内観光~

 今日の朝7:35に無事にパリ・シャルルドゴール空港に到着しました。日本を出発して20時間余りの空の旅となりました。生徒たちはまだ体が起きていない状況の中入国検査や荷物のピックアップなどで苦労したと思います。

到着後生徒たちはバスで早速パリ市内の観光へ出かけました。まず最初に訪れたのはエッフェル塔です。エッフェル塔は、1889のパリ万国博覧会の目玉モニュメントとして、フランス革命100周年を記念して建設されました。当時の最新技術の粋を集め、フランスの技術力と進歩を世界に示すことを目的として建てられました。

高さ330mを誇り、展望台からは光の都パリの絶景を一望できます。日中はもちろん、夜にはシャンパンフラッシュと呼ばれるきらめくイルミネーションがパリの夜空を彩り、訪れるすべての人に忘れられない感動を与えます。歴史と芸術が息づくパリの象徴として、エッフェル塔のシャンパンフラッシュとともにその美しさと存在感は唯一無二と言われています。

パリを代表するシンボルエッフェル塔は1991年にこの塔を含むパリのセーヌ川周辺は世界遺産として登録されました。パリを代表する河川であるセーヌ川の河岸のうち、シュリー橋からイエナ橋までのおよそ8キロメートルの範囲が世界遺産となりました。生徒たちはその優雅さと風景に見惚れていたように感じました。

昼食後はヴェルサイユ宮殿を見学しました。ヴェルサイユ宮殿は、フランスのイヴリーヌ県ヴェルサイユに位置する壮大な王宮です。ヴェルサイユ宮殿の歴史は、17世紀初頭にルイ13世の狩猟用の小さな城館として始まりました。しかし、ルイ14世の時代に、フランス絶対王政の象徴として大規模な拡張が行われ、現在の壮大な姿へと変貌を遂げました。宮殿は、本館、トリアノン宮殿群、そして広大な庭園から構成されています。総面積は約800ヘクタールにも及び、その規模の大きさは世界屈指です。貴族たちを宮廷に集めることで彼らの力を抑え、中央集権的な統治を強化しました。また、宮殿は芸術の中心地としても機能し、音楽、演劇、バレエ、建築、庭園設計など、様々な分野で新しい様式や技術が生み出されました。

ルイ15世の時代には内装の一部がロココ様式に改装され、小トリアノン宮殿が建設されました。ルイ16世とマリー・アントワネットの時代には、有名な王妃の村里が作られましたが、1789年のフランス革命により王族は強制退去させられました。ヴェルサイユ宮殿は単なる王宮以上の存在で、フランスの絶対王政の力と栄華を表現するための舞台であり、ヨーロッパの政治・文化の中心地でもありました。

とにかく壮大な広さに豪華な装飾。当時の貴族たちの生活を垣間見ることができ生徒たちは驚きと文化・芸術と建築方式などの技術の高さを学んだと思います。日本文化との違いを感じてくれていたように思います。このように日本文化とフランス文化の違いを実際に見ることで改めて文化交流の必要性を感じてくれたのではないかと思っています。

その後はホテルへと向かい今日は少し早くホテルに入って夕食を終えて疲れを癒して明日からの日程に備えてほしいと思います。